最後のジェダイ、さらば反乱軍
1月1日(月)
ここ数年、元日に劇場で映画鑑賞をすることにしている。
前作の「スターウォーズ フォースの覚醒」にくらべると、なんとなく盛り上がりに欠けるなあとその理由を考えてみたら、「フォースの覚醒」の時は、ライムスター宇多丸さんのラジオ番組で、公開前からかなり煽っていたのを聴いていたからだった。
前作はベタ褒めだった宇多丸さんが、今作に対してはどうも苦言を呈しているらしいということを風のうわさで知った。
あんなに前作の時にはスターウォーズにどっぷりつかっていたのに、どうしちゃったんだろう。
映画評論家の町山智浩さんの解説で、その理由がわかった。
今作は、評価が二分しているらしい。アメリカの映画評論家たちは絶賛しているのだが、スターウォーズマニアは、酷評しているというのである。
まさに国論を二分する問題作というわけだ。
どうしてそんなことになったのか?
それは、今作が、これまでのスターウォーズの「型を破る」作品になっているからだという。
町山さんの言葉を借りれば、「これも含めて8作品の『スター・ウォーズ』を聖書と考えると、その聖書を焼き捨てろ!っていう映画」なのだそうである。
だから映画評論家には絶賛されるが、スターウォーズ信奉者には酷評されるのだそうである。
スターウォーズの世界観にどっぷりハマっていた宇多丸さんからすれば、噴飯物なのだろう。
私は、スターウォーズマニアではないので、そもそもスターウォーズの「型」というのがよくわからず、そのおかげで普通に楽しめた。というより、かなりおもしろい映画である。
ただなんとなく、既視感があるなあという感じがした。
はたと気づいたのだが、映画のなかで、映画「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」を思わせる場面が出てくるのである。
その点が少し気になった。
映画を見終わってから、宇多丸さんのラジオでの発言をチェックしてみると、脚本のずさんさやグダグダさを指摘するとともに、「いつからこんな『宇宙戦艦ヤマト』みたいな話になったの?」と言っていて、やはりあの場面を見て宇多丸さんも同じことを思ったらしい。
町山さんは、「映画の作りとして時々ぎこちないところがたしかにあるけれど、型を壊した時にはどうしてもそうなってしまうものだ」と述べているが、この発言は、脚本がずさんだという批判を念頭においた発言だろう。
たしかに、あらためて考えてみれば宇多丸さんの言うようなこともわからなくもないのだが、それでも、私には十分に楽しめたのである。
ストーリーが隙だらけであっても、それを凌ぐ映画表現を楽しもうとするか、それとも、スターウォーズの世界観に徹底的にこだわってストーリーのあらを探していくか。
どちらの立場で見るかが、この映画に対する真逆の評価を生み出しているのだと思う。
| 固定リンク
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- KOC雑感2024(2024.10.19)
- ドリーム(2024.10.01)
- わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!(2024.09.22)
- 団地のふたり(2024.09.16)
- きみの色(2024.09.08)
コメント