飲むミドリムシ
1月3日(水)
体調もアレな感じだし、父のこともあったので、この年末年始はひっそりと過ごそうと思っていたが、昨日、こぶぎさんからすごく久しぶりにメールが来た。
「いま帰省中なんで、オフ会をしませんか?探偵助手の小林君さんも一緒に」
こぶぎさんも探偵助手の小林君さんも、こちらに戻ってきているという。
こぶぎさんと探偵助手の小林君さんとは、たぶん2年以上も会っていないし、ありがたいことにわざわざ声をかけてくれたので、短い時間ならOKですということで、オフ会をすることにした。
ガストに入ろうとしたが、とても混んでいたので、ルノアールに入ることにした。
3人がそれぞれの近況を話したが、文字通りのオフ会なので、その内容をここに書くことはできない。
気がついたら、ルノアールで4時間も話していた。
「これ、おみやげです」とこぶぎさんは缶コーヒーのような形のものを2本、カバンから取り出した。
「何ですそれ?」
「人類の栄養問題を解決するといわれている、飲むミドリムシです」
「飲むミドリムシ?」
なんとなく聞いたことがあるが、実物を見たのは初めてである。ミドリムシを飲む、という語感から、ちょっとグロテスクなイメージである。
「これは健康にいいですから、ぜひ飲んでください」
「味はどうなんです?」
「死ぬほど不味いです」
「こぶぎさんからは、今までいろいろな不味いおみやげをいただいてますけれど…」
「今まででいちばん不味いです」
「そうですか…」
並べられた2つの缶は、微妙に内容が異なるようである。
「右側のほうは、オリジナルのもので、ミドリムシが5億個入っている、純度の高いものです。いわば純水です」
「はあ」
「で、左側のほうは、乳酸菌入りで、その分、ミドリムシが少ないです。3億6000万個しか入ってません」
「ということは、不純物が混じっているということですね」
「そういうことです。ですから、こちらの方が幾分飲みやすいかも知れません。ただ、オリジナルのほうがミドリムシの数が多いですから、より健康にいいはずです」
「こぶぎさんは試してみたんですか?」
「オリジナルのほうは飲んでみて、死ぬほど不味いことはわかりましたが、乳酸菌入りのほうは、最近発売されたばかりなので、まだ飲んでいません」
うーむ。とすると、オリジナルにくらべて飲みやすいかどうかは、飲んでみないとわからないということか…。
「さあ、どっちにしますか?オリジナルにするか、乳酸菌入りにするか?」
「どうも決めかねますなあ」
本音を言えば、どちらも飲む勇気がない。
「じゃあ2つとも持って帰ってください」
「いいんですか?」
「どうぞ」
ということで、またしてもこぶぎさんから「不味いおみやげ」をいただいてしまった。
帰宅して飲もうと思ったが、ラベルをよく見ると
「冷やしてお飲みください」
と書いてある。
冷やさないと、とても飲むに堪えないものなのか?
あぶないあぶない、うっかりすぐに飲むところだった。
ここは慌てず、一晩冷やしてから飲むことにしよう。
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コメント
こんな初夢を見た。
初めて見る写真なのに、既に知っている光景ばかり。
初めて読む地名や店名なのに、既に知っている場所ばかり。
予知夢か、デジャ・ヴュか。
否、これがパラレルワールドなのか。
でもそこには、権之丞も権三もいない。
そのくせ、ミドリムシ飲料はあったりする。
というわけで、僕は吹きだまりの世界に居残ることにしよう。
だってあちらの世界に行ったら、探偵商売の楽しみがなくなっちゃうもの。
投稿: こぶぎブック | 2018年1月 4日 (木) 23時32分
そう、だから今までその存在を教えなかったのです。
あちらは世を忍ぶ仮の姿。こちらの世界こそが、真の世界。
権之丞という新しいキャラクターも生まれましたので、これからも吹きだまりの世界をご愛顧いただきますよう。
「吹きだまりの世界」って、「ぬかるみの世界」みたいで、いい響きだなあ。
投稿: onigawaragonzou | 2018年1月 4日 (木) 23時42分