イタい話
先日、初対面の人と、お酒も飲まずに6時間も話し込んだ。
仕事のつながりでお会いした方だったのだが、仕事の話はほとんどなく、もっぱら、大林映画の話だった(またかい!)
その人も大林映画のファンだったので、こちらとしては心置きなくマニアックな話をしたのだが、
「めちゃめちゃ詳しいじゃないですか!」
と、先方も多少引き気味だった。
そんなことはともかく。
6時間の中で、たとえば、こんな話をした。
僕は、自分の仕事を映画の世界に喩えるという癖(へき)を持っている。
僕は、文章を書くのが仕事の一つである。
僕が文章を書くとき、職業的な文章を書く場合と、このブログのように、まったく職業とは関係のない、好き勝手なことを書く場合がある。前者は仕事だが、後者は仕事ではない。
これを映画監督に喩えると、前者は、言ってみれば、映画会社専属の職業映画監督。後者は、自主映画の監督にあたる。
映画会社専属の職業映画監督は、映画を製作したり公開するための安定したシステムがある反面、表現としては、いろいろと不自由な制約が多い。
自主映画の監督は、映画を製作したり公開したりするための安定したシステムがない反面、自分の思い通りに映画を作ることができる。だがともすれば、日の目を見ないこともある。
僕が書く職業的文章は、僕が自由に書ける文章ではなく、テーマと型が与えられたうえで書くことになる。映画会社専属の映画監督が作る映画のようなものである。
しかしだんだんと、そうした職業的文章を書くことが窮屈になってきた。
本来自分の書きたい文章は、プライベートフィルムのような、自主映画のような文章なのである。
僕がこのブログを続けているのも、職業的文章ばかり書いていると、精神のバランスに支障をきたすからと考えているからにほかならない。
すこし、自分のプライベートフィルムにも、日の目を見せてやりたいなと、最近思うようになってきた。
理想は、職業映画監督的文章と、アマチュア映画監督的文章を、自分の中でバランスよく公開していくことだ。
…などという妄想を話したりしたのだが、こんな話、6時間もしているのだから、やはり俺、イタい奴だよねえ。
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