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新兵器投入

霧吹きは足の裏を救う

3月8日(木)

びっくりすることに、いまも両足の裏の痛みが治らず、治療を続けている。

2週間に1度程度、皮膚科に通って、例の液体窒素を、

シュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッ

と霧吹きで吹きかけてもらっているのである。

担当の先生は、ものまね芸人の堺すすむみたいな顔の先生である。

今日、2週間ぶりに皮膚科に行くと、その堺すすむにクリソツな先生が、

「では、始めましょう」

と言って、手術用の手袋みたいな手袋をおもむろにつけて、やおら霧吹きを取り出し、例によって、

シュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッ

と、やりだした。

しばらくすると、

「ちょっと堅くなったところを削りましょう」

という。

いつもなら、小型ナイフみたいなものを持ち出して、

ガリガリガリガリ

と、足の裏のできものの堅くなったところを削るのだが、今日はどうもそうではないらしい。

堺すすむ似の先生が看護師さんに、

「○○さん、例のものを持ってきてください」と言うと、

「かしこまりました」と看護師。

と、まるで「笑点」の大喜利で、歌丸師匠と山田君の、

「山田君、例のものを持ってきてください」

「かしこまりました」

というやりとりを彷彿とさせる。

で、看護師さんが持ってきたのが、なにやら真っ白な新しい機械である。

見たところ、歯医者でよく使うグラインダーのようなものである。

「先生、回転数はどうしましょうか?」

「1でいいでしょう」

となにやら謎の会話をして、早速グラインダーのようなものを私の足の裏に近づけた。

ウィンウィンウィンウィンウィンウィンウィンウィン

という音がして、私の右足の裏の、堅くなっている部分を削っている。

グラインダーを使っている先生の姿は、新兵器を手にしたからなのか、なんとなくうれしそうである。

しばらく削った後、また、

シュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッ

と霧吹き、それが終わるとまた、

ウィンウィンウィンウィンウィンウィンウィンウィン

とグラインダー。

シュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッ

ウィンウィンウィンウィンウィンウィンウィンウィン

シュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッ

ウィンウィンウィンウィンウィンウィンウィンウィン

この繰り返しである。

どうも見ていると、グラインダーを手にとって

ウィンウィンウィンウィンウィンウィンウィンウィン

とやっている先生の姿は、初めておもちゃを手にした子どもが遊びたくってしょうがない、という感じに見えて仕方がないのだが、ま、適切に処置してくれたということなのだろう。

「次は左足ですね」

私は左足の靴下を脱いで、足の裏を先生の方に向けた。

「左足の裏も削りましょうか?」

先生は、削りたくってしょうがないらしい。

「いえ、けっこうです…」

はたして、新兵器は効果があるだろうか。

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コメント

びっくりすることに、Y山スキー場で大転倒してから2週間も経つのに、いまも肋骨の痛みが治らず、湿布を貼り続けている。

痛む箇所は少しずつ変っているので、変化はあるが、進歩はない。

「変化の中にこそ、進歩はない!」とは、どういう了見だ。そんな講演とか聞きたくないぞ。

それはさておき、元気なよい子の読者のみなさんは気づかないだろうが、肋骨はかなり役に立っている。

肋骨が痛いと、くしゃみもできないし、寝返りも打てないのである。

ここずっと、週末は天気がよければスキーか自転車に乗る生活を送っていたので、家で安静にしているのは、どうにも手持ちぶさただ。

そこで、新兵器投入した。

「スマートコンセントプラグ」を買ったのである。

http://koreimakaidesuka.hatenablog.com/entry/ottim-smart-electrical-outlet-review

これは、電気製品の電源コードの先につける部品で、AIスピーカーと連動させると、声で電源のオンオフができる優れものである。

これで、照明やモニターを消すために、イテテテと肋骨をかばいながら、いちいち立ったり座ったりしないでいいのである。

というか、声だけで電化製品を操れるという、チョー近未来な生活が手に入るのである。

箱を開けると、3本足が生えている。

スマートコンセントプラグはまだ日本で普及していないので、外国製品を輸入して売っているらしい。

日本住宅の壁にあるコンセントは2本穴だが、外国では3本穴らしく、プラグには2本足の他に、アース棒がもう1本生えているのである。

もちろん承知の上で買っているので、さっそく力任せにアース棒をペンチでへし折ろうとしたが、これがしっかり植え込んであって、ウンともスンとも言わない。

なにしろ、この3本目の足を折らないと壁のコンセントに刺さらないから、使えないのである。

俺の肋骨はもう折れているのにプラグの足は折れないとは、どういう了見だ。

こうなれば、ペンチよりも強力な新兵器を導入して、足を断ち切るしかない。

だれか、足用グラインダーとか、持っている人いないかなあ?

投稿: 骨折り損こぶぎ | 2018年3月11日 (日) 10時07分

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