アラタ君のお父さん
6月9日(土)
午前中、児童館で「お父さんも一緒わくわくランド」という時間があるというので、参加することにした。
行ってみると、体育館に、トランポリンだの、すべり台だのが設置されていて、さながらちょっとした遊園地である。
(やっぱり、まだ2カ月の娘にはまだ早かったかな…)
15組くらいの親子が来ていて、さすがに土曜日だけあって、お父さんの顔も、ちらほら見える。
とくに遊具など仕えるものがなかったので、体育館の端っこに敷いてあったマットに娘を寝かせていたら、同じくらいの年齢の子どもを抱えたお父さんが、近づいてきた。
「何カ月ですか?」
「2カ月とちょっとです」
「じゃあうちとほとんど同じですね。うちは3カ月ちょっとです。…こういう場所に参加すると、いつもうちが最年少だったんですが、負けましたなあ」
「やはりそうですか。私のところも、こういうイベントに参加すると、いつも最年少で、どうしたらいいかわからなくなるのです」
同志を得た、という感じである。
「今日はお休みですね」と聞かれたので、
「実は3カ月ほど育児休暇をもらっていて、いま育休中なのです」
と答えると、
「そうでしたか。実は私も育休中なのです」
という。
「どのくらいですか?」
「私の場合は5カ月です。7月いっぱいまでです」
「そうですか」
「いやあ、私と同じように長期間育休をとっているお父さんに、初めてお会いしました」
「私も、いままでそういう方にお会いしていませんでした。なかなか、いないものですなあ」
「そうですなあ」
「お名前はなんというんですか?」
「アラタです。新しいの、アラタ」
「いいお名前ですなあ」
聞いてみると、一人目のお子さんのときは1カ月の育休をとっていたというから、育休の先輩である。
私はいろいろと聞いてみた。
「あのう、母乳が出ればいいなと思ったことありませんか」
「それは思いますねえ。いちど、自分の乳首を吸わせてみたことがあります」
「そうでしたか。お気持ちはよくわかります」
「こっちは母乳が出ない分、技術でカバーしないとね。私は「子どもが眠りにつく音楽」というのをすぐに見つけることができました」
「なるほど、母乳が出なくても音楽でカバーしたわけですね。私もそういう音楽を探しているのですが、私が聴かせる音楽は、どれも泣いてしまうのです」
「やはり好みがあるようですよ。それをいちはやく見つければこっちのもんです」
「なるほど」
「こっちは資源がない分、『ものづくり』で勝負しないとね」
「まるでどこかの国のようですね」
アラタ君のお父さんは、抱っこひもをスムーズに装着し、アラタ君を抱っこして児童館をあとにした。
ちなみに私はいまだに、抱っこひもを一人で装着できない。
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