年に1度の会議
7月13日(金)
新幹線と高速バスを乗り継いで、年に1度の会議に出席する。
なんだかんだで、片道5時間ほどかかる。
で、会議じたいは、1時間半程度である。
外部の有識者、みたいな立場で会議に参加させていただいているのだが、毎回、俺みたいな者でいいんだろうかと、反省することしきりである。
せっかく呼んでいただいたのだから、毎回、何かしら発言することにしているのだが、結局は、全部自分に返ってくる発言になる。
会議が終わり、今日から始まった企画展をみせてもらうことにした。
今流行の「刀剣」である。
刀剣は奥が深すぎて、どうも敬遠しがちな分野なのだが、昨今の刀剣ブームもあり、ずいぶんと敷居が低くなったのではないかとも思う。
「これは、日野のS家に伝わる刀です」
「S家というと、幕末の有名な幕臣の姉が嫁いだ家ではありませんか」
「そうです。この刀は、当時のこの藩の藩主がその幕臣に贈った刀とされ、さらに戊辰戦争の時に、その幕臣が姉の嫁ぎ先であるS家に贈ったものです。今回、特別にS家からお借りして展示することができました」
「いわば里帰りした、というわけですね」
「そうです」
「マニアにはたまりませんねえ」
「そうなんです。Twitterなんかで情報が拡散されたおかげで、反響がすごいです」
今日は初日だから、明日からはマニアがどっと押し寄せることだろう。
ほかにも、私が目を引いたものがあった。
「これは仕込み杖です」
「仕込み杖、ですか」
「これは県内のM町が持っていたもので、明治の廃刀令の後、M町を中心に自由民権運動が起こったときに、いわば護身用にこうした仕込み杖が使われたようです」
「なるほど」
座頭市でしか見たことがなかったので、本物を見たのは初めてである。
「こちらは、なんですか?」
「これは、S市に住んでいた方が、刀の鍔などの装飾品ばかりをコレクションしていたものです」
「刀身ではなく、鍔ばかりを集めていたんですか?」
「そうです」
なるほど、刀剣マニアの中には、鍔マニアもいるというわけか。
やはり奥が深い。
この町での滞在時間は3時間半ほどだった。高速バスと新幹線を乗り継いで、5時間かけて帰宅した。
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