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ボードレールですな

ずっとむかしから気になっていることがあるのだが。

大林宣彦監督の作品に「麗猫伝説」というのがあり、これは日本テレビの「火曜サスペンス劇場」で放映されたドラマなのだが、これについては、以前書いたことがあるので、内容についてはそちらを参照のこと。

この中で、芸能ルポライター(峰岸徹)が、引退した老映画監督(薩谷和夫)のもとを訪れて、ある女優についての思い出話をするという場面がある。なかなか味わい深い場面なのだが、その中で、こんなやりとりがある。

「すべて我らが見たるもの、また見たりと思いしものは、夢の中の夢にほかならず」

「ボードレールですな!」

「ハッハッハッ!」

これがずっと気になっていた。

「すべて我らが見たるもの、また見たりと思いしものは、夢の中の夢にほかならず」

の出典が知りたくて、ボードレールの詩集を読んだりしたのだが、該当する表現が見つからない。

ボードレールの詩については、福永武彦が訳詩を作っている。大林宣彦監督は、福永武彦の作品を愛読していたから、福永武彦の訳詩を通じて、このフレーズを台詞の中に取り入れたのか?

はたまた、桂千穂の書いたこのドラマの脚本にもともとあった台詞なのか。

そのあたりもよくわからない。

「すべて我らが見たるもの、また見たりと思いしものは、夢の中の夢にほかならず」

これは、ボードレールの愛読者にとっては、よく知られた言葉なのだろうか?

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コメント

投稿: 江戸川こぶぎ | 2018年7月17日 (火) 08時34分

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