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ポーでした!

前々回の話の続き

「すべて我らが見たるもの、また見たりと思いしものは、夢の中の夢にほかならず」

大林宣彦監督の「麗猫伝説」という作品に出てくる詩のフレーズ。劇中ではこれをボードレールの詩の一節だと述べていて、僕は長い間その出典がわからず悩まされていたのだが、こぶぎさんが見事に出典を見つけてくれた

なんと、エドガー・アラン・ポー(Edgar Allan Poe)の「夢の中の夢(A dream within a dream)」という詩の一節だったのである!

All that we see or seem

Is but a dream within a dream.

うーむ。たしかにこれを訳すと、

「すべて我らが見たるもの、また見たりと思いしものは、夢の中の夢にほかならず」

になる。

つまりこれをボードレールの詩の一節だとする「麗猫伝説」のセリフは、まったくの誤りだった、ということになる。

どおりで、ボードレールの詩をいくら探しても、このフレーズが見つからないわけだ。

というか、フランス人ではなく、アメリカ人じゃん!

この作品の脚本を担当した桂千穂が、単純に間違えたのか?

あるいは撮影台本を書いた大林監督が間違えたのか?

それとも、たんにボードレールの名前を出したいために、ボードレールの詩ということにしてしまったのか?

どうしてこんな間違え方をしたのか、まったく謎である。

ただ、たとえ間違えがわかったところで、この「麗猫伝説」という作品自体、ほとんど無名の作品なので、鬼の首を取ったように指摘したとしても、とくにどうということはない。

さて、この「麗猫伝説」には、もう1箇所、ボードレールの詩が引用されている。

「『君よただ美しくあれ もだしてあれ(…と聞き取れる)』」

「……」

「ボードレールです」

はたしてこの詩の一節も、ボードレールなのか、怪しくなってきた。

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文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

投稿: tortue | 2018年7月18日 (水) 08時07分

Ale?

Sekkaku France Go de caita noni

Kesare chatta !!!

Seikai datta noni

Mattaku...


投稿: France Go de Kobugi wa? | 2018年7月18日 (水) 10時07分

J'étais désolé.Je pensais que c'était un commentaire de spam.

投稿: onigawaragonzou | 2018年7月18日 (水) 10時29分

フランス語(初級)追試問題

1.次のフランス語を日本語に訳しなさい。(各4点)

a) tortue
b) Les fleur du mal
c) madrigal treste

2. 次の文をフランス語に訳しなさい。(各4点)

a) 私はそれをボードレールの詩の中に見つけた。

b) 美しくあれ!、哀しくあれ!

投稿: 追試こぶぎ | 2018年7月18日 (水) 10時58分

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