再会講演会
7月7日(土)
2月以来、5カ月ぶりに新幹線に乗って、北に向かう。
講演会場に着くと、懐かしい人に再会した。
「ご無沙汰しています」Oさんである。
今から20年ほど前、僕がまだ駆け出しの頃、Oさんから調査の依頼を受けて、Oさんの職場を訪れた。
Oさんは私よりずっと年上の方で、見た目も、厳格そうな方だった。
それまでは、師匠にくっついて調査に行くことがもっぱらだったので、僕一人で調査に呼んでいただく、なんてことは、ほとんど初めてのことだった。そんなこともあり、僕はひどく緊張した。Oさんはベテランだし、僕は駆け出しなので、試されてるのかなあ、と思ったりもしたのである。シニカルな語り口が特徴的な方だった。
それでも、調査の成果はなんとか形になり、ひとまず責任を果たすことができた。
その後、Oさんにお会いする機会があまりなくなってしまったのだが、数年経って、Oさんが職場をお辞めになったとうかがった。
もう一緒に仕事をする機会はないのが残念だった。この業界からも離れてしまったのだろうか、と思っていたが、4年前、ある会合でNさんという方に久しぶりにお会いしたとき、
「この前、Oさんに会って、あなたのことが話題に出ましたよ。ひょっとしたら、今日、あなたに会えると思ってね。Oさんがあなたによろしくと言ってましたよ」
と言われ、とてもびっくりした。Oさんは僕のことを覚えていてくださったのだ。と同時に、15年ぶりにお会いしたNさんも、僕のことを覚えてくださっていたことに驚いたのである。
そして今日、講演会場でOさんに再会したのである。
久しぶりにお会いしたOさんは、さすがにお年を召した印象だったが、それでもかつての印象と変わらなかった。
「今日はあなたに一目会いたいと思ってね、やってきました」
「お会いできてうれしいです」わざわざ僕に会いに来てくれたことに、僕は感激した。
「職場、変わったんだね」
「ええ」
「フフフッ、前の職場を見捨てた?」
「いえ、後ろ髪を引かれる思いでしたよ」
「なるほど、フフフッ」
Oさんのシニカルな語り口は健在で、僕はなぜか安心した。
20年前は駆け出しだった僕が、いま、エラそーに講演だなどといって、多くの先輩方の前でお話しをすることを思うと、いささか緊張した。
2時間近くの講演を終え、演壇を降りると、Oさんが、
「今日は会えてよかった」
といって帰って行かれた。
今回の講演では、ほかにも、かつて調査依頼をいただいたY村のKさんなど、懐かしい方々にたくさん再会した。
懇親会の席で僕は、
「今日は懐かしい方々にたくさん再会できて、とてもうれしい一日でした。また、仕事を通じてお会いできる日を楽しみにしています」
と挨拶した。
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