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酒宴断捨離

先日、ある自治体につとめている方とお話をした。私より7歳くらい上の方である。

仕事もできて、人当たりもいいので、役所ではひどく重宝されているらしい。

所属部署の関係で、建設業とか商工会議所関係の人たちと一緒に仕事をする機会が多いそうなのだが、仕事柄といってよいのか、飲み会の数が多いらしい。

「月に8回くらい、つきあいの飲み会があるんですよ」

「月に8回、ということは、週に2回ということですね」

「ええ。それもほとんどすべて自腹ですから、月に4万円~5万円は飛んでいきます」

「いやあ、それはたいへんですね」

「俺なんかがいても、とくに何も話すことなんかないんですけどね。でもそこにいなきゃいけないんです」

「たいへんですね」

その方は明るい方なので、飲み会が苦にならないタイプかと思っていたら、実はそうではなかったと知り、その方を気の毒に思った。

さほど出たいとも思わない宴会のために、ひと月に4万円も使うというのは、腑に落ちない。

私は昨年夏に体調を崩して以来、お酒を飲むことはなくなり、飲み会にもほとんど参加しないことにしているのだが、不要不急な飲み会に参加しなくなったことで、ずいぶんと気が楽になった。

しかしどうも世の中には、酒宴文化というのが、まだかなり根強く残っているらしい。

最近、高校時代のクラスや部活の有志が、グループLINEなどで、飲み会の連絡を取り合っているようで、私も一応そのグループに入れてもらっていたりするのだが、そのやりとりを見ていると、実に驚くことばかりである。

たとえば、飲み会の日程調整をするときに、

「あ、その日は別の飲み会が入っているんでNGです」

みたいなコメントを書く人が、けっこういるのである。

ふだん、どんだけ飲み会が開かれているんだ?

また、飲み会の当日に、みんながグループLINEのやりとりをしていたりすることがあるのだが、そのやりとりを見ていると、

「まだ飲み会やってる?今、こっちの飲み会が終わったんで、今から合流します!」

みたいなメッセージを書く人がけっこういたりして、これもまた、ビックリである。

飲み会にどんだけ命を燃やしてるんだ???

…というか、みんな元気だなあ。

私はもう、そういうスタイルのコミュニケーションがすっかり苦手になってしまったので、酒宴だけは、断捨離につとめようと思っている。

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