袖すり合うも多生の縁
8月11日(土)
先日、本の完成記念の打ち上げで知り合った映画監督に、
「今度僕の映画が上映されますからぜひ来てください」
と言われた。アタクシよりもひとまわりくらい若い監督である。
「今度、来てください」
「わかりました。行きますよ」
この種の会話って、ふつうの人はどのていどの本気度で言ってるんだろう?いつもわかんなくなる。
いわゆる、社交辞令ってやつ?
アタクシの場合、意外と真に受ける場合が多い。
というのも、自分自身がけっこう、そういうことって覚えていたりするからね。
根に持つタイプってヤツです。
自分に関わるイベントがあるときや本を出したときなんかに、心当たりの人に宣伝したりすると、「行きます」とか、「読みます」なんて言ってくれたりするんだけど、実際はそうでなかったり。
そんなことを、アタクシはけっこう覚えていたりするんでございます。イヤなヤツやねえ。
だから逆に、こっちが言うだけで実行しないと、「はは~ん。さては社交辞令だったな」と思われてるんじゃねえかって思って、ガクブルするわけです。
その映画監督とは、たまたま、2次会の時の席が隣で、少しばかりお話ししたこともあり、行かないとなんとなく寝覚めが悪い。
で、映画の公開期間を見てみたら、8月11日(土)から7日間だけの公開というではないか!
行けるとしたら、11日しかない、ということで、この日に見に行くことにしたのである。
しかし、問題がひとつ。
それは書かなきゃ行けない原稿をカカーエているってことでR。
とにかくいくつかため込んでいる原稿のうちの、ひとつくらいは終わらせてから行こうと思って、昨日の晩から今日にかけて、頼まれている原稿をひとつ書いたら、4500字くらいで書き終わった。ふぅ。
ま、焼け石に水なんだけどね。
で、少しばかり心に余裕ができて、映画を見に行くことができた次第。
行ってみたら、映画館、というよりも、「上映スペース」といったほうがいいくらいいの、とても狭いところで、あまりに狭くて居場所がないせいか、監督が外でうろうろしていた。
「どうも、来ました」
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
いちおう、顔は覚えていてくれていたようだ。
この上映スペースでは、監督の作品3本が上映されるというので、すべて見ることにした。
アタクシにとってのメインは、2015年に公開されたというドキュメンタリー映画なのだが、これにはかなり引き込まれた。
4年くらいかけて撮影しているドキュメンタリー映画なので、いったい何が起こるかわからない。
撮影している途中に、悲しい出来事が二つほど起こるのだが、まことに皮肉なことに、その悲しい出来事が、この映画に深みを与えていた。
いろいろと考えさせられながら、2時間ほどの上映が終わった。
上映が終わると、その映画に出演していた「主人公」と監督の二人がスクリーンの前にあらわれて、30分ほどのトークイベントが行われた。
4年越しの撮影だから、いろんなことがあったんだろうな、と想像した。
トークイベント終了後、せっかくだからと思い、映画のパンフレットに二人のサインを書いてもらった。
「今日はありがとうございました」と監督。
「また、どこかでお会いしましょう」と私。
袖すり合うも多生の縁、って言ってね。
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