毒舌会議
8月24日(金)
数か月に1度の会議の日である。都内某所に向かう。
いつも気が重いのだが、今回は特別気が重い。
この会議に間に合うように書いた1500字の原稿が、大ボスのおめがねにかなうかどうか。
大ボスは、とても恐い方なのだ。もちろん、それだけ実力も優れた方なのだが。
午後3時。総勢6名で会議が始まる。
「今日はやることがたくさんあります。そうそう、鬼瓦君の書いてくれた原稿については、のちほど言いたいことがあります」
ゲゲッ!!やっぱり俺の原稿はダメだったのか…。
うーむ。どんなことを言われるのだろう。
事と次第によっては、この場で割腹しよう。
そればかりが気がかりで、会議が始まってから、気もそぞろである。
会議はまったく休憩を取ることなく、3時間半続いた。
ようやく一段落がつき、議題はいよいよ私の原稿に関してのことになった。
…ここまで、長かったなあ。3時間半である。
「鬼瓦君の書いてくれた原稿についてだけど…」
と大ボス。
ドキドキ、ブルブル…。いよいよ死刑宣告か…?
「内容については異存ありません」
よかったぁ~。
「若干、付け加えてもらいたいことがあります」
…ということで、大ボスによる死刑宣告は、まぬがれたのであった。
で、そこから大ボスによるいつもの毒舌がはじまった。
その内容は、とてもここでは書けない。
「なあ、そうだろう、鬼瓦君」
と僕に同意を求めてくるのだが、「そうですね」とも言えない。
僕はただただピクニックフェイスで聞いているだけだった。
4時間近くにわたる会議が終わり、近くのお店で会議の打ち上げである。
ここでもまた、大ボスの毒舌が冴え渡る。
「なあ、そうだろう、鬼瓦君」
いえいえ、とても「そうですね」とはうなずけませんよ。平和主義者なんで。
例によってピクニックフェイスでやり過ごした。
いつか、僕がヘタをうったら、僕も毒舌の対象にされてしまうのだろうか。
そう考えると、ガクブルである。
午後10時、ようやくお開きとなった。
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