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上を向いてアルコール

8月10日(金)

お盆休み前の金曜日ということで、あるグループで暑気払いがあった。

毎年この時期に行われるのだが、昨年は体調を崩したため不参加。

もともと大勢(5人以上)の飲み会が大の苦手で、それに加えていまはお酒を飲まないので、ますます飲み会に出るのがおっくうになってしまった。

だがこの暑気払いは、いつもお手伝いしてくれている若者たちを慰労する意味もある会なので、大人たちが、かなり多めにナニを出すんである。

「ことによるとあいつ、ケチだから飲み会に来ないんじゃないのか?」

と、痛くもない腹をさぐられてはタマらないので、今年は参加することにした。

結果は…撃沈orz.

何の話題もないアタクシは、ひたすらダンマリを決め込むという…。

結局、ただでさえお酒を飲まないと間が持たない人間なのに、その上お酒を飲まないもんだから、何にもすることがない(汗)。

で、電車で1時間以上かけて、家に戻ってきました。

この帰りの電車もまた、ツライorz

金曜日の夜ということで、まわりはほとんど、飲み会を終えて帰ってきたおじさんおばさんおにいさんおねえさんたちばかり(妄想)。

なんか、飲み会の続きみたいにみんなが大声でお喋りをしていて、帰るまでが地獄だった。

この国は、お酒が好きな人に優しい社会なんだな、と思ったり。

お店に行っても、お酒のバリエーションは豊富だが、ソフトドリンクのバリエーションは少ない。ウーロン茶とジンジャーエールを行ったり来たり。

どこの国も、そうなのだろうか。よくわからん。

昨日も紹介したコラムニストの小田嶋隆さんは、最近のアタクシの心のよりどころでありまして、その小田嶋さんが『上を向いてアルコール 「元アル中」コラムニストの告白』(ミシマ社、2018年)という本を出している。語りおろしの本である。

小田嶋さんは、20代の終わりから30代にかけて、アル中だったそうだ。

いまはアルコール依存症という言い方をするが、いわゆるアル中って、完治するというわけではないみたい。だからいまの小田嶋さんは、「断酒中のアルコール依存者」という状態なのだという。この状態を小田嶋さんは、

「坂道でボールが止まっているみたいなもの」

と表現している。多くの患者は、再び転げ落ちることになるけれども、自分は何とか踏みとどまっている、というのだ。 

アルコール依存症で悩んでいる人にはもちろんだが、そうでない人にとっても、この本はそうとう興味深い本である。

アタクシはアル中という病気に対して、まったく無知だったわけだが、これを読むと、なるほどこれは深刻な、しかも誰にも降りかかる可能性のある病気だということが、よくわかる。

いま病気で悩んでいる人にとっても、病気との向き合い方について何かヒントを与えてくれると思う。

人がお酒とどうつきあっていくかについても、考えさせられる。

「いまは立食パーティーには全然行かなくなりましたけど、素面で行くとあんなにくだらないものはありません。冷めたローストビーフだとか生ハムだとかみたいなどうやって食べてもマズいものを皿に取って、知っている人もいるけど別に親しいわけでもなくて、「どうですか」「太りましたね」「余計なお世話だ」みたいな話をするだけのことでしょ?そうやって一、二時間つぶして、ビンゴで当たるとか当たらないとかちょっとだけ騒いで帰ってくる。もうパーティーとか大っ嫌いになっちゃいましたね」

このくだり、いまのアタクシの気持ちとまったく同じw

まあそんなんで、こういったテイストの病気告白本がもっと出てくればいいのになあと思ったりするのだが、実はこの本の最後で、小田嶋さんはこんな告白をしている。

「実は、一〇年くらい前に同じテーマで、一度オファーがありました。最初はやってみようと思ったんだけど、作業を始めてみると、とてもじゃないけど書ける気分じゃないということがわかりました。たぶん考えたくなかったんだと思うんです。飲むことも、飲んでいたことも。飲んでいた時代の失敗とかも含めて、思い出したくもなかったんでしょうね。

暗い部屋に押し込んだものを掘り出してこなきゃいけないというのは、今はそんなに嫌じゃないんですけどね。自分のなかでまだちゃんと整理はついていないですけど、この本を書くことで整理がつけばいいのかなと、ちょっと思っています」

意外だったのは、日ごろ、書くことに対してほとんど何の抵抗もないと思われる小田嶋さんが、自身のアルコール依存症について語るのに、10年以上もかかったということである。時間をかけて、自分のなかで整理していったということなのだろう。

この本の副題に「告白」とあるのも、そういう思いがあるためと思われる。

アタクシも、昨年に大きな病気をして、まだ自分のなかで整理できていない。

「病気のことをいろいろな人に話すことで、気持ち的に楽になると思いますよ!」

ずいぶん前に、そう励まされたことがあるのだが、ゴメンナサイ、まだちょっと整理できていません。

ま、いずれ整理して書くこともあるだろう。

…あれ?何の話だっけ?

そうそう、アタクシは飲み会がすっかり苦手になってしまった、ということを言いたいのでありマス、ハイ。

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コメント

はじめまして、香菜子@KANAKONKONです。

私の家族もアルコール依存症に苦しみ、最終的には
肝臓を壊してしまいました。

本人はアルコール依存症であることを最後まで認めず、お酒なんて辞めようと思えばいつだって辞められると言い続けていましたが、結局はお酒をやめられませんでした。

アルコール依存症と闘っている人には、アルコール依存症は専門家の先生の手助けなしでは克服するのが難しいことを理解してほしいです。

投稿: 香菜子@KANAKONKON | 2018年12月11日 (火) 10時52分

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