3連休
9月17日(月)
この3連休は、結局ほとんど外に出ることなく過ごした。
原稿を書かなければいけないのだが、ピタリと筆が止まっている。
つまり、この3連休を呆然と過ごしていたというわけだ。
原稿の神が、早く降りてこないかなあ。
近頃はほとんどスランプ状態で、もうダメかもわからない。
ブログを書くのも、なかなかしんどい。
今後は、一つ一つの記事をTwitterのような超短文で終わらせるか、あるいはよほどのことがないかぎり更新しないか、どっちかにしようかとも思案しているのだが、どうなるかはわからない。
ま、自分の性分からみて、前者はあり得ないだろうな。
書こうとしても、愚痴と弱音しか思い浮かばないので、全然わからない話を書く。
ずっと以前に、「絶対に薦められない大林映画」として、「日本殉情伝 おかしなふたり ものくるほしきひとびとの群」という映画のことを書いた。
たぶん、このブログの読者でこの映画を観たことのある人は誰もいないと思う。
舞台は、瀬戸内のある小さな町。
室田幸男(三浦友和)と成田和美(永島敏行)の二人は、幼なじみのやくざである。
もう一人、やはり幼なじみの夕子(南果歩)がいて、3人はいわば、三角関係にあった。その後、室田と夕子は結婚する。成田は、つまらない事件を起こして刑務所に入る。
あるとき、その町に一人の男が訪れる。山倉という旅人である。
心臓に持病を持つ山倉(竹内力)は、旅をしながら、持ち前のアイデアで次々といろいろな発明を試みるが、いつも失敗ばかりしている。
…とここでちょっと解説。このころの竹内力は、Vシネマ以降のものすごい強面の役ではない。いまでは考えられないような、病弱で薄幸の美青年といった役回りである。
その山倉は、この町で室田と親しくなり、奇妙な友情が芽生える。
旅先で友達のいない山倉は、がさつながら心優しい室田を慕うようになる。
同じころ、成田が出所する。
そこからふたたび、室田、成田、夕子の三人の関係は揺らぎ始める。
過去の出来事が、三人を苦しめるのである。
物語の最後で、室田と成田は、殴り合いのけんかを始める。
友情と憎しみが入り交じった、誰も止めることのできないけんかである。
二人のけんかを目撃した夕子は、慌てて山倉のもとを訪れる。
「山倉さん、助けてください!(室田)幸男さんと(成田)和美さんが、殺し合っています!」
夕子は泣きながら、山倉の胸に飛び込む。
そのとき、山倉はにっこり笑って、寂しげに言う。
「…僕だって、殺し合いたい」
…とここでまた解説。Vシネマ以降の竹内力がこのセリフを言ったとすれば、
「俺だってその殺し合いに加わって大暴れしたいぜ!」
という意味に聞こえてしまうのだが、ここは、そうではない。なにしろこの時の竹内力は、病弱で薄幸の美青年の役なのである。
「僕だって殺し合うくらいの友情がほしい」
という意味なのだ。
そのことに気づいた夕子は、山倉もまた、寂しい人間なのだということを悟るのである。
山倉は、いくら室田と親しくなったとはいっても、彼の人生に直接関わるような当事者にはなれなかった。
「…僕だって、殺し合いたい」というセリフは、自分が当事者になれない寂しさを語っている。
大林監督の映画は、物語の当事者になれない人の寂しさをきっちり描くところが、好きである。
| 固定リンク
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- KOC雑感2024(2024.10.19)
- ドリーム(2024.10.01)
- わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!(2024.09.22)
- 団地のふたり(2024.09.16)
- きみの色(2024.09.08)
コメント
筆が進まないというのは、すなわち「追い込み」力が足りないのである。
かく言うわたくしめなど、今日もサイクリングで自分を追い込んで来たので、コメント欄が書けて書けて、本日だけで三連投である。
というわけで、3連休なのに追い込みが足りない貴兄はコレを見るべし。
http://www4.nhk.or.jp/P4975/23/
「昆虫すごいぜ!」に並ぶ、某放送局の会心作なり。
きゅうううー。
十分に追い込んで行きましょう。
筋肉は裏切らない。
投稿: みんなでこぶぎ | 2018年9月22日 (土) 19時45分