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続・卒業生が卒業生を呼ぶ

「卒業生が卒業生を呼ぶ」

9月23日(日)

4年半前に卒業したAさんが、僕の職場をいちど見学したいというので、職場を案内することにした。

休日、しかも3連休の中日に、片道2時間半かけて職場に行くのはかなりツライものがあるが、Aさんには、僕にとっての恩人なので、恩返しをしなくてはならない。

どういう恩を受けたかというと、大学の学園祭で、バンドを組んでライブをするという夢を叶えてくれたのである。

バンド名は「キョスニムと呼ばないで!」

Aさんがメンバー集めをしてくれたおかげで、ライブが実現したのだ!

あと、「父の鍋」というエピソードにも、Aさんは登場している。

近況報告を聞いてみると、バンドに参加してくれた当時の学生たちも、Aさんのご両親も、息災に過ごしておられるようで、安心した。

夕方、職場見学が終わり、Aさんとともに東京駅に向かう。

今日はもう一人の卒業生も、東京に来ていたのだった。2005年卒業のH君である。

地元で高校の教師をしているH君は、何年かにいちど、携帯のアドレスにメールを送ってよこして、「こんど東京で研修があるんですけど、先生、その日空いてますか?」と聞いてくる。

今年の2月に連絡が来たときは、予定が合わなかった。そしてこんどは、Aさんが訪ねてくるのと同じ日に、H君は研修のため上京するというメールが来たのである。

ええぃ、面倒だ、まとめて会ってしまえ!ということで、夕方からはH君も合流して、3人で食事をすることにした。

そもそも、僕は知らない人どうしを紹介する、というのが、ひどく苦手なのである。

なぜなら、自分がそれをやられると困惑してしまうからである。

たとえば、そうねえ。

「こんど、久しぶりに食事でもしよう」と気の置けない仲間で盛り上がったとする。

その仲間の一人が、

「俺の友達を連れてきてもいい?」

「友達?俺の知らない人?」

「うん。そいつ、とってもいいやつで、絶対気が合うと思うから」

という状況が、僕はひどく苦手なのである。

同じ仕打ちを、こんどは僕が他の人に対して、したくはないのである。

しかし、今回ばかりは仕方がない。

それに、いちおう俺の教え子という共通体験があるから、まあなんとかなるんじゃねえか?と思い、二人に了解をとったのであった。

かくして、「前の職場」で最初に教えた教え子のH君と、最後に送り出した教え子Aさんの、歴史的な初対面が実現したのである。

H君で思い出すのは、「鍋を囲んだ夜」というエピソードである。

H君はむかしから、私にズケズケといろいろな質問をしてくる。学生時代は、恋愛相談なんぞをストレートにしてきたものである。

俺に恋愛相談なんて、聞く相手を間違ってるだろ!!!

結婚したいまは、さすがに恋愛相談をしなくなったが、その代わりにこんどは、仕事のことについてズケズケといろいろな質問を投げかけてくる。

こっちも必死で答えるが、それが役に立つ答えになっているかどうかは、わからない。

きっと役に立っていないのだと思うが、それでもH君は、何年かにいちど、僕の答えを確かめに、会いに来るのである。

僕の答えがどうであろうと、H君の胸のつかえがストンと落ちたのであれば、それはH君自身が答えを見つけたということである。

きっとまた数年後、自分が壁にぶつかったとき、僕に会いに来るのだろう。

そしてそのときもまた、僕は答えに窮するだろう。でも彼は、自分で答えを見つけるだろう。

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