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今年最後の自画自賛

また自画自賛かよ!と笑われそうだが、ほかに書くこともないので、今年の9月に出した本に関していただいた感想を紹介する。

何度も書いているように、この本はまったく売れなかった。売れなかったので、ほとんど感想をいただくこともないのだが、こちらからお送りした方のうち、何人かの方から、感想をいただいた。とりわけうれしかったものを紹介する。

一人目は、僕と同世代の研究仲間の感想である。この方は僕なんかよりはるかにいろいろな本を書いていて、しかもそれが一般に高い評価を得ていて、僕にしたら同世代ながら仰ぎ見る存在なのだが、とてもありがたい感想をいただいた。

「30の家の玄関はライトなのに、部屋に入るとどっしり。今までと随分趣の異なるつくりだなと思ったら、インターネットの連載がベースなのですね。このサイト、はじめて知りました。

これだけの幅広いネタを、このレベルでよく準備されたなと、とにかく驚きました。楽しく読めますし、たくさん学べます。この学問分野を理解してもらうためにも、こういう本はとても大事だと思います。でも、このレンジで書ける能力のある研究者は、かなり限られると思いました。(私にはとても無理そうです。。。)

色々と刺激をありがとうございます。今後ともご教示のほど、よろしくお願いします。」

この人には正攻法では勝てないので、無手勝流で行くしかない、と思い、このスタイルの本を書いた。だから「私にはとても無理そうです…」という言葉が、お世辞と謙遜であったとしても、うれしいのである。

次は、尊敬している先輩からの感想である。

「ご高著拝受いたしました。「○○は○○に○る」の実践ですね。さまざまに残る断片的なものから見えてくるもの、学説が時代の産物であること、縦横無尽の楽しい御著書。こういう授業ができると学生も面白いだろうなと感嘆いたしました」

「縦横無尽の楽しい」本、という評価がうれしい。この本は「縦横無尽に駆けめぐる」というイメージで書いたので。

続いて、まったくこの方面に疎い友人からの感想。

「とっても面白かったです。これだけの濃い内容を、一般向けに、しかもこんなに短いエッセイに落とし込めるのは、すごいですね。この方面に音痴の私でもどれも楽しく読めました」

「これだけの濃い内容を、短いエッセイに落とし込む」ことのすごさに気づいていただいたことが、とてもありがたい。これは簡単そうにみえて、難しいことなのだ。見た目はシンプルだが実は手の込んだ料理、というのを想像してもらえればよい。

さて、僕がいちばんびっくりした、というか意外だったのは、僕がこれまでの人生の中でいちばん恐いと思っている恩師からの感想である。その恩師については、このブログでも、何度か書いたことがある

その恩師にだけは送りたくなかったのだが、送らないとあとで怒られそうだから、どっちにしろ怒られるんだったら、送って怒られたほうがいいや、と思い、おそるおそる本をお送りした。

厳格な恩師は、きっとこんな本のことをクソミソにけなして、金輪際おまえとは仕事をしない、と破門されるだろうと思ったのである。

ところが、本をお送りしたらすぐにメールをいただいた。

「昨日、拝受しました。とても面白くて、一気によみました。とくに、第一章の始めの二編、○○にかかわる諸編、は興深く、また、いろいろ考えさせられるところでした。具体的にモノにふれている強みを感じることでもありました。なお、○○○の読みは、異見をもちます。

ともあれ、学恩に深謝申し上げます」

我が目を疑った。怒られてない!

「○○○の読みは、異見をもちます」のところは、厳格な恩師らしく、若干恐いが、まあ予想していたことではある。

世界でいちばん恐い恩師が、面白いと言ってくれたんだから、もうあとは、誰に何と言われようと、恐れることはないのだ!

その後もその恩師は、メールをいただくたびに、「あの本は面白かった」と書いていただいている。

僕が褒められてうれしかったのは、その恩師が厳格な方だったから、ではない。

その恩師は、実は無類のミステリー小説マニアなのである!その守備範囲は日本だけでなく世界におよび、古典だけでなく最近のものまでカバーしておられる。プロの編集者が舌を巻くほどの選球眼なのだ。

ミステリー小説マニアの恩師のおめがねにかなったということは、この本はミステリーとしても楽しめる、ということである!

…自画自賛もこのくらいにしておこう。むなしくなってきた…。

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コメント

年の終わりにそんな辛気くさい記事を書いてると、こいつをお見舞いしちゃうぞ。

https://youtu.be/i3BxCdaCjE0

どうです、昨晩のKBS歌謡大祝祭で大トリを飾ったキム・
ヨンジャの圧倒感。

なにしろ、ジャンルは流行最先端のEDM(エレクトリカル・ダンス・ミュージック)を大胆に取り入れた「EDMトロット」。

で、歌の内容はニーチェですから。

これぞボヘミアンならぬ「コリアン・ラプソティー」。

攻めてますな。

ちなみに、今年の修能禁止曲(中毒性が高いので韓国のセンター試験の前に聞いてはいけない曲)だったようで、

御陰で今日は猛吹雪のなか、朝からずっとヘビーローテーション&踊り狂っているため、全く原稿が進みません。

いつになったら帰省できるのか。

そんな運命、あなたは愛せますか(あもーる ふぁてぃー)?

投稿: 愉しい学問こぶぎ | 2018年12月29日 (土) 13時39分

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