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めげないわけではない

12月9日(日)

今日は午前中から都内で会議である。

めげない生き方」でおなじみのKさんが、本国で大きなプロジェクトを始めることになり、僕もそのお手伝いをすることになったことは前に書いた。

今日は、そのプロジェクトに関わる日中のメンバーによる会議なのである。日本と中国のメンバー合わせて、15人くらいが集まった。

(うーむ。どう考えても、俺は力不足だ…)

メンバーを見て、やっぱり引き受けるんじゃなかった、とひどく落ち込んだ。

担当する部分について、1人あたり15分くらいでプレゼンをして、それをもとにみんなで議論しながらよりよい形をめざしていく、という形式の会議である。

日本側のメンバーは、私を含めほとんどの人が中国語がわからない。それに対して、中国側のメンバーの方は、全員、日本語が堪能なので、会議は日本語でおこなわれた。

11時から17時過ぎまで、途中お昼休みを挟んで5時間ほどの長丁場だった。

本当にこんな大風呂敷なプロジェクト、完結するんだろうか???

僕は巻き込まれてしまったことを悔い、おそらくその気持ちが、プレゼンにもあらわれていたんだと思う。

会議が終わると、今度は懇親会である。

それにしても、中国のメンバーの方々は、どの方も礼節を重んじる方ばかりである。お酒の席でもけっして乱れることはなく、わきまえた飲み方をしている。

むしろお酒の飲み方がだらしないのは、日本人のほうであった。ひとり、ベロベロになるまで飲んでいる人がいた。

kさんと、少しお話しをする。ちなみにKさんは、僕よりも7歳くらい年下である。

Kさんは何ごとにもめげない人だと思っていたが、話してみると、いろいろなことにめげそうになっているようにも思えた。

Kさんは僕に、巻き込んでしまって申し訳ない、みたいなことを言ってくれたのだが、おそらく僕が、渋々この仕事を引き受けたことが、Kさんにも伝わってしまったのかも知れない。僕は、そのような思いでこの仕事を引き受けたことを恥じた。引き受けた以上は、Kさんがめげないように、全力でサポートする覚悟を決めなければならない。

政治的立場を越えて、お互いを尊重し合う姿勢は、学問や芸術といった世界ならではではないか、とときおり思うことがある。

そういう場に居合わせることができるだけでも光栄であることを思い知るべきである、と自分に言い聞かせた。

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