大人の遠足
11月15日(木)
久しぶりの飛行機出張の目的は、「大人の遠足」である。
いちおう、代表者、というか呼びかけ人は僕で、参加するのは、いずれも僕より年上の、この業界の大先輩たちばかり。
だから、とても気が重かった。
本当は昨年の12月に、この地で「大人の遠足」をする予定だったのだが、諸事情により、1年延期となった。
で、今年は、満を持して行うこととなった。
ただし、当初は金曜の午後から日曜の午後までの3日間にわたる遠足を予定していたのだが、僕の体力的な問題や、案内をしてくれる地元のKさんがここ最近お忙しいこともあり、土曜日の1日、その代わり朝から日没まで、遠足を行うことになった。
地元のバス会社で中型バスを貸し切り、総勢19名の団体旅行である。
もっとも僕がしたことと言えば、日程の決定と、出欠の確認と、事務的な手続きくらいなもので、当日は、地元でお仕事をされている研究仲間のKさんにすべてコーディネートをお任せすることにした。
朝9時、バスに乗り込み、盆地の中をまわる。
雲ひとつない、快晴である。
移動するバスのなかで、案内役のKさんが私に言った。
「鬼瓦さん、今日は快晴というだけではありません。風がないんです」
「風ですか」
「ええ。例年この時期、晴れの日には冷たい風が西から東に吹くんですが、今日はほとんど風がない。絶好の遠足日和です」
「そうですか」
そういえば、3年近く前にこの地を訪れたときも、まだ春の前のことだった。そのとき、強風に悩まされながら現地を歩いたことを思い出した。
たしかそのとき、僕はこの地でKさんとはじめてお会いし、いつか、たくさんの同志とこの地で遠足をしましょうとお約束したのだった。
「これは、代表者である鬼瓦さんの人徳のおかげですよ」Kさんは半ばからかうように私に言った。
「僕は元来、雨男なんですよ」
「じゃあ、今日をきっかけに晴れ男に変わったんですね」
移動中のバスのなかでは、Kさんがマイクを持ち、よどみなく、地元のことについてさまざまな説明をしてくれた。地元を知り尽くし、地元を愛しているKさんならではだろう。
バスを降り、見学ポイントでもKさんのよどみない説明は続いた。
夕方、山のほうを見ると、噴煙が上がっていた。
6時半からの懇親会も3時間半におよび、こちらも大いに盛り上がった。
「3年越しの約束が果たせて、よかったです」
Kさんは僕にそう言った。
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コメント
こちらも今日は晴れだが、氷点下で雪まみれ。
南国とは大違いだ。
それにしても師走の忙しさに目が回る。
しかし心配ご無用。
ただの疲れか、ねみーだけ。
投稿: 対決こぶぎ列島、再び | 2018年12月16日 (日) 12時12分
桐島、山の方角まちがったってよ。
投稿: こぶぎ解答、再び | 2018年12月16日 (日) 12時21分
こぶぎさん、写真を撮った場所はほぼ正解!麓までは行きました。
投稿: onigawaragonzou | 2018年12月18日 (火) 00時31分