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うんちが臭い

12月19日(水)

振休。

妻が、映画「ボヘミアン・ラプソディー」を見に行くというので、その間、僕は娘を実家に連れていった。

話題になっている映画なので、僕も見に行きたいことは行きたいのだが、致命的なことに、僕はクイーンについて、まったく知識がないし、思い入れもない。主人公の名前も、スッと出てこないのである。

見に行きたいことは行きたいのである。町山智浩さんをはじめ、僕が信頼する映画評論家がこぞっていいって言ってるんだもの。

でも一方で、いろいろな人のブログやSNSを見たりすると、僕が苦手だなぁと思う人も軒並みこの映画を見に行っていて、「泣いた」とか、「感動した」とか書いていて、もしも僕が見に行ったとすれば、その人たちと同じ感想を持つことになるのか…と思うと、なんとなく見に行きたくなくなるのである。まったく、厄介な性格である。ま、いずれ見に行こうとは思うけれども。

そんなことはともかく。

ここんとこ忙しくて、おむつを替えることを任せっきりにしていたのだが、今日、久しぶりにうんちをしたおむつを替えることになった。

そういうときに限って、ヤツはびっくりするくらい大量のうんちをするのである。

おむつも、テープタイプからパンツタイプに替わったので、着脱の仕方もいままでとはちょっと変わった。

おむつを開けてみると、ものすごいクセえ!!!

離乳食になってから、うんちの質が変わり、くっさくなったのである。

しかもパンツタイプだと、うんちがほかのところに付かないように履き替えるというのが、テープタイプのときより難しい気がする。慣れてないからだろうけれど。

うーむ。こうやって、だんだんうんちが臭くなっていくのだな。

映画監督の黒澤明が、たしかこんなことを言っていた。

人間はね。誰でも生まれたばかりの赤ちゃんのときは天才なんだよ。それを、成長していく過程で、大人がよけいなことをしたりするから、どんどんダメになっていくんだ。

…みたいなことだったと思う。詳しい言いまわしは忘れてしまったが。

たしかにそうだな、と実感したのは、赤ちゃんの体の柔らかさ、である。

あまりにも体が柔らかいもんだから、この柔らかさのままで大人になったら、新体操の選手として絶対に活躍するだろうなあ、と思うほどである。

それが大人になるにつれて、だんだん体が硬くなる。

俺なんか、前屈すると、手の先が床に届かないどころか、床上30センチくらいのところで止まってしまうぜ。これは、明らかに退化だよな。

赤ちゃんの足の裏なんて、ツルッツルなんだから。

俺の足の裏なんて、カッチカチだぜ。

うんちだって、臭くなっていくわけだ。

つまり、人間の成長とは、一方でどんどん不完全になっていく過程なのである。

ひょっとしたら、人類全体もそうなんじゃないか???

人類は、いろいろなことを学んで、知識や知恵を身につけていけば、社会はどんどん成熟していく、と、ちょっと前まで、僕は信じていた。

しかしどうだろう。現実は、それほど単純なものではない。

知恵を身につける、ということは、悪知恵も身につけるってことなんだよな。

だから、成熟もすれば、堕落もする。

人類も、そんな段階にさしかかっているような気がする。

…ということを、娘から学ぶ毎日である。

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