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沈黙の図面

うーむ。忙しい…。

12月21日(金)

新幹線と在来線を乗り継いで、「光の国と姉妹都市の町」 に向かう。年に数回行われる会議に出席するためである。いつものように慌ただしく日帰りなのだが、考えてみれば家から職場まで片道2時間半かけて通勤していることを考えると、「光の国と姉妹都市の町」の日帰り出張は、むしろふだんの通勤よりも楽だといってよい。

たぶん、そういう感覚を持ってしまっている時点で、身体感覚が異常になっているのだと思うが。

会議じたいは午後の数時間で、メンバーは外部委員が私を含めて4人である。あとは市の職員の方々。外部委員の4人は、それぞれ専門が異なるので、アプローチの仕方がそれぞれ違っていて面白い。

短い時間だが、いろいろと考えさせられることが多い。

今回の会議の主要な議題は、外部委員のSさんによる検討結果の報告である。

Sさんも、僕とは専門が違うので、アプローチの仕方、というか、方法論がまるで違うのだが、Sさんの手法は、実物を写し取った図面、そこに残されたわずかな痕跡から、可能な限り蓋然性の高い仮説を導いていくというものである。

僕のように饒舌に残された記録から仮説を組み立てるのではなく、沈黙の図面から、如何に多くの情報を拾い出すかが、勝負なのである。

蛇の道は蛇、とはよくいったもので、同じ図面をにらめっこしていても、僕にはサッパリわからないのだが、Sさんは、そこに残された痕跡から自らの知識と経験を総動員して仮説を組み立てていく。まるで鑑識係のようでもある。

なるほど。他人の芝生はよく見える、ではないが、他人の専門は面白く感じるものだ。

そんなこんなで、とても勉強になったのだが、外部委員のうち、最高齢のO先生にも、驚かされた。

傘寿をとっくにすぎた重鎮なのだが、事前にお聞きしたところ、大腿骨を骨折なさったとのことで、歩行がなかなか厳しくなったというのである。

心配していたところ、当日は、杖はおつきになっていたものの、ご自身の足でしっかりと歩いておられた。会議でのご発言も、いつも通り明快なものであった。

ご高齢の方は、骨折がきっかけで、急激に足腰が弱くなる、というのを聞いたことがあるが(たしか映画監督の黒澤明も、傘寿をすぎて、転倒骨折がきっかけで療養生活に入ってしまったと思う)、O先生の場合は、言ってみれば驚異の快復を見せたのである。

「あそこまで快復するというのは、すごいことですよ」と、O先生をお見送りしたあと、みんなが口々に言った。「以前も、大病を患って手術されたそうですが、そこからも復活されましたし。で、今度は大腿骨の骨折からの復活ですからね。見事な快復力です」

自身に降りかかる試練を黙々と乗り越える姿勢は、学びたいものである。

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