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大混乱

1月21日(月)

たいへんな1日だった。

今日は、土曜日の「同業者祭り」のときにもお会いした、韓国の先生方25人が、こんどはうちの職場に見学に来ることになっていた。

こちらは数名で対応しなければならず、しかも韓国語でコミュニケーションがとれるのが私だけだったので、予想通り、大混乱の1日となった。

まず、集合時間に全員が揃わない!

10時半に職場に来ていただくことになっていたのだが、数名がいくら待っても来ないのである。

あとで聞いてみると、数名が二日酔いのため、遅れて来るとのことだった。

五月雨式に来られると、それだけこちらの対応も面倒くさくなるのだ!

さて、手続きの必要上、あらかじめ、この日に来る先生方の名簿を職場に届け出ていたのだが、ま、事前の名簿なんてのは、あてにならない。

当日になって、欠席する人が数名いた。

二日酔いで遅れるどころか、来ない人もいるのである。

ま、欠席するのはまだよい。

名簿に載ってない人が、集合時間に突然現れたのである。

そのひとりが、僕もよく知る、ユン先生である。

名簿に名前が載っていなかったので、まさかユン先生が来るとは思ってもいない。土曜日の「同業者祭り」の時もいなかったぞ!

「あれ、ユン先生!日本にいらしてたんですか?」

僕はビックリしてたずねた。

「そうだよ。それがなにか?」

何ごともなかったかのように、しれっと、職場見学に参加しているではないか!

このユン先生、私より年齢がちょっとだけ上なのだが、とても変わっている。

韓国に留学していた頃、僕はユン先生と何度もお会いしたことがあるのだが、時間通りに来たためしがない。

いつも必ず、遅れて来るのである。

で、遅れても、しれっとした顔で、「それが何か?」と、本人は全然意に介さない。

今回も、事前の名簿に名前が載っていないにもかかわらず、当日になってしれっと現れた。

この人は、いつもそうやって、約束を覆すのである。

しかし、どこか憎めないところがある。

僕はユン先生に気に入られているようで、会うといろいろと面倒をみてくれる。他の先生方は、僕より少し年上でも、僕に敬語を使ったりするのだが、ユン先生は、完全なタメ口である。

「元気だったか?会いたかったぜ」

と、こんな口調である。

まあ、僕としては、久しぶりに会えたのでうれしかったのだが。

うれしかったと言えば、今回、韓国留学時代の指導教授だったチュ先生と久しぶりにお会いして、いろいろとお話ししたことである。

チュ先生は、碩学というべき重鎮で、とても厳格で、恐い先生である。あまりに厳しいので、敬遠する人もいたりする。

…というか、僕の周りにはそんな先生が多い。

しかしまあ、僕にはいろいろなお話しをされる。もっとも、訛りがきつくて聞き取れないことが多いのだが。

先週土曜日に、実に久しぶりにお会いして、無沙汰をお詫びした。

2年ほど前に大きな病気をしたために、ここ最近は韓国に行く機会がなかったことなどを、率直にお話しした。

それに、生まれた娘をお見せすることもできた。

チュ先生は、この間の僕の変化にたいそう驚いたいらっしゃったが、以前と同じように、いろいろなお話しをしていただいた。今日も、短い時間だったが、間近でいろいろとお話しができた。

そのほかにも多くの人と再会し、僕の顔を見るとにこやかに話しかけてくれた。

こうやって人と再会すると、生きていてよかったなあと思う。

再会するために、これからも生き続けなければならない。

午後3時半。大混乱のうちに、この日の日程が終了した。

ひとりひとりと握手をして、

「また会いましょう」

といってお別れした。

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