« フラミンゴの奇跡 | トップページ | 悪気がないのが悪いのか、心が狭いのが悪いのか »

他の人にはどうでもいい話

3月4日(月)

会合、2日目。今日が本番である。

「今の職場」の会合を、「前の職場」でおこなう、という、僕にとっては実に奇妙な感覚の日である。

昨年、「前の職場」と「今の職場」が正式に業務提携をしたこともあり、このようなことになったのである。

会合のプログラムの中に、「講演」という枠があり、それを僕がやるようにとの依頼があった。

実は2年ほど前にも同じようなことがあった。

老先生との再会

このときも、前の職場を会場にした会合で、「前の職場」と「今の職場」の同僚の前で講演をするという、奇妙な体験を味わった。

もうそんな機会はないと思っていたが、あれから2年弱が経って、生きながらえて、ふたたび「前の職場」で講演ができるとは、感慨無量である。

しかし困ったのは、講演の内容である。

「内容は2年前と同じになってしまいますよ」

と申し上げたのだが、

「それでかまいません」

という。

そうはいっても、まったく同じ話にするわけにもいくまいと思い、少しバージョンアップしたものを準備して、45分の講演をした。

会合の趣旨に合う話になったかどうか、不安だったのだが、いまの自分にできることはこれで精一杯なのだから仕方がない。

例によって講演の後は落ち込んだまま、会合が終盤を迎えた。

この会合は、主催者である「今の職場」の上司が「開会の挨拶」をし、会場を提供した「前の職場」の上司が「閉会の挨拶」をする、という、僕にとってはまた奇妙な感覚だったのだが、

(この奇妙な感覚は、あの場では僕にしかわからなかっただろう。だって、自分が、今の職場に勤めているのか、前の職場に勤めているのか、混乱してしまったほどなのだから)

   

その「閉会の挨拶」で、「前の職場」の上司だったA先生が、

「今回、会場を提供するにあたって、ひとつだけ主催者側にお願いしたことがある。それは、鬼瓦さんに講演をしてもらう、ということです」

と、参加者全員の前で発言され、僕はとても驚いてしまった。

「今回の会合のテーマは『つなぐ』ということだったが、実際につなぐのは、人であることを実感した。今回、両機関をつないでくれた鬼瓦さんに、ぜひ講演をお願いしたいと思った」

とおっしゃっていただいたのである。

僕は「今の職場」に移ったとき、「前の職場」と一緒に仕事ができるようなしくみを作りたいと思っていた。「前の職場」でやり残したことが多かったこともあるし、「前の職場」でつちかったノウハウを、「今の職場」に生かしたいと思ったためでもある。

ただ、「文化」の異なる二つの職場をつなぐことは、実際のところ、容易ではない。

で、数年経って、それがひとまず形になった。ただそれは、僕よりもむしろ、他の同僚たちが実際に動いてくれたおかげであった。

なので、僕は実際には何の役にも立っていないのだが、それでも、「前の職場」の上司は、僕を立ててくれたのである。

A先生の挨拶に、僕は感慨無量であった。

たぶん、聞いていた他の人たちは、何のことやらわからない、と思っていたかも知れない。

だからこれは、「他の人にはどうでもいい話」なのである。

|

« フラミンゴの奇跡 | トップページ | 悪気がないのが悪いのか、心が狭いのが悪いのか »

職場の出来事」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« フラミンゴの奇跡 | トップページ | 悪気がないのが悪いのか、心が狭いのが悪いのか »