人生で大切なことはすべて○○から学んだ
相変わらず仕事がクソ忙しいのだが、仕事の話を書くとシャレにならないほどの愚痴になるので、全然別の話を書く。
よく「人生で大切なことはすべて○○から学んだ」というフレーズがあるよね。昨日、家族とそんな話題になった。
で、調べてみると、童門冬二という作家が、
『人生で大切なことはすべて映画で学んだ』
という本と、
『人生で必要なことはすべて落語で学んだ』
という本を書いていることがわかった。おまけに、
『人生の歩き方はすべて旅から学んだ』
という本も書いていることがわかり、どないやねん!と突っ込みたくなった。いっそのこと、
『人生で大切なことは、映画、落語、旅からそれぞれ三分の一ずつ学んだ』
という本を書けばいいのに。
それはともかく。
自分にとっては、○○のところに何が入るだろう?と、昨日から考えていて、ハッと思い至った。
「人生で大切なことは、すべて『ルパン三世』から学んだ」
これだ!これに間違いない!
このところ、アニメ『ルパン三世』の再放送をやっているので、折にふれて見ているうちに、あることに気づいた。
子どものころの知識や教養は、ほとんど「ルパン三世」から学んでいたことを、である。
まず、『ルパン三世』のエピソードは、世界のありとあらゆる国が舞台となっている。当然そこには、その国の名所も登場する。ひょっとしたらノートルダム大聖堂も登場していたかも知れない。
つまり僕は、学校で習うよりも前に、「ルパン三世」を通じて世界の地理を学んでいたのである。
世界の地理だけではない。北京原人の謎やら、ジンギスカンの謎やら、世界史上のさまざまな謎もモチーフになっている。ナチスを思わせる独裁国家が登場する回もあったりして、世界史のありとあらゆる出来事が総動員されてエピソードが作られているのだ。
海外だけではないぞ。日本の歌舞伎や時代劇の知識だって得られるのだ。そもそも銭形警部とか石川五右衛門なんて名前は、時代劇へのオマージュだし、忠臣蔵をモチーフにしたエピソードや、歌舞伎の白浪五人男をモチーフにしたエピソードなんかもある。忠臣蔵のストーリーなんて、「ルパン三世」を見てはじめて知ったんじゃなかったろうか。
ほかにも、古今東西の名探偵が一堂に会する「名探偵空をゆく」というエピソードや、007シリーズをもじったタイトルなど、オマージュやパロディーまで含めると、それだけで世界の文学史や映画史が「ルパン三世」を通じて語れるのではないだろうか。
つまり、古今東西のありとあらゆる知識や教養は、子どものころに「ルパン三世」を通じて学んだのである。
知識だけではない。愛や憎しみ、友情や孤独、といった人間のさまざまな感情も、すべて「ルパン三世」の中で語られていたことである。
本編だけじゃないぞ。音楽だってそうだ。
「ルパン三世80のテーマ」は、なんといっても衝撃だった。あの曲が、自分にとってのジャズの原体験だったといってもよい。
というわけで、自分にとっては疑いなく、「人生で大切なことはすべて「ルパン三世」から学んだ」のである。
「ルパン三世」の原作者であるモンキー・パンチ先生が亡くなられたという。合掌。
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