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30人待ち

4月24日(水)

保育園入園からまだ1カ月もたっていないのだが、もうヘトヘトである。

今日は休みをとり、夕方に娘を迎えに行ったのだが、娘を保育園から引き取った後、二つの病院に連れていかなければならなかった。

ひとつは耳鼻科である。ここ最近ずっと鼻水が止まらないので、耳鼻科に行って鼻水を吸い取ってもらっているのである。この耳鼻科が家からちょっと離れたところにあり、バギーを転がしながら歩いて行かなければならない。

もう一つは家の近所にある小児科である。

ちょっと込み入った話なのだが。

来月からの保育園の転園にむけて、その保育園の担当医のところに健康診断に行ったのが22日(月)である。そこは、かかりつけの小児科とは異なる病院だった。

気難しそうな先生だったのだが、まあそれは措いといて。

「鼻水が出てるわね」

「ええ、耳鼻科に通っています」

「耳鼻科だけでいいのかしら。原因が、気管支ってことも考えられるわよ」

「そうですか…」

「耳鼻科だけじゃ信用できないわね」

そう言われると急に不安になってきた。

その先生にそのまま診察をお願いしようとも思ったのだが、いつもはうちの近所のかかりつけの小児科で見てもらっているので、日を改めてかかりつけの小児科に行くことにしたのだった。そんなわけで、耳鼻科と小児科をハシゴすることになったのである。

家の近所のかかりつけの小児科の診察時間が午後6時までで、耳鼻科の診察時間が午後7時までなので、まず小児科に行ってから、耳鼻科に行くことにした。

5時に娘を保育園から引き取り、その足で家の近所の小児科に行くと、待合室には数多くの親子が診察を待っていた。

「あのう…予約していないんですけど」

「ただいま30人待ちです」

「30人待ちですか!!!」

「おそらくいまからだと、7時か8時になってしまいますよ。それでもいいですか?」

ちょっと逡巡したが、そのまま30人の順番を待つことにした。

「整理番号は100番です」

「100番ですか!!」

ということは、今日1日で100人が診察を受けに来たことになる。

「では先に耳鼻科に行ってから、戻ってきます」

といって、いったん小児科を出て、耳鼻科に行った。

耳鼻科の方は診察がすぐに終わり、そのまま小児科へ戻った。

この時点で午後6時を過ぎていたが、あと20人待つらしい。

待合室が狭い上に、娘と同じくらいの年齢の子どもとその親が待合室でひしめき合っている。

そのストレスに耐えかねたのか、娘は途中から泣き始めた。いや、泣き暴れたといってよい。

なんとかなだめてみるのだが、ダメである。

そのうち、となりの席で、お父さんの抱っこひもに抱かれていた子どもが、

ゲロゲロゲロゲロ!!

と吐いてしまった!

子どものゲロは、抱っこをしているお父さんの胸元に直にかかってしまったのである。

おいおい!大丈夫か?吐瀉物から空気感染する病気だってあるんだぞ!

僕は急に恐くなった。

次に、反対側の隣に座っていた親子が診察室に呼ばれたようで、立ち上がって診察室の方に向かった。

「どうしました?」

「熱が40度以上出てしまいまして…」

というやりとりが聞こえた。

おいおい!大丈夫か?どおりで子どもがグッタリとしていたわけだ。というか、真横に座っていたら、こっちにもうつるんじゃないだろうか???

すでにかれこれ、待合室に1時間ほどいるのだ。もともとうちの娘は、

「鼻水の原因として、気管支も念のため見てもらう必要がある」

という理由だけで来ているので、とくに熱があるわけでもなければ、体調不良というわけでもない。すでに1時間以上も待合室にいるが、その方がよっぽど体調を悪くさせるのではないだろうか?

だんだん不安になってきた。

午後7時半過ぎ、ようやく順番がまわってきた。

「気管はまったく疑いがありません。心配ありません」

のひと言で終了。わずか30秒ほどで診察は終わった。

こうして、3時間にわたる病院行脚は終わったのである。

それよりも、待合室に1時間半以上も居たことのほうが心配である。

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