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引きの強さは身を助く

ほかに書くことがないので、4月27日(土)のときの話をもう少し書く。

後日、編者のOさんからいただいたメールに、「ミラクルすぎる出逢いがつながりあう1日でした」と書いてあった。

今回のイベントのスタッフの一人であるKさんとは、編者のOさんも僕も初対面だったのだが、そのKさんと編者のOさんには、共通の友人がいることがわかった。そしてその共通の友人というのが、二人にとってかなり大事な友人なのだそうである。

編者のOさんは、このことにひどくビックリしていた。自分はこの土地に来ても知り合いは誰もいないだろうと思っていたら、一人の友人を介して、今回のイベントスタッフのKさんとつながっていたのである。そしてこれをきっかけに、新たな仕事が始まりそうな予感である。

おそらく編者のOさんとKさんは、この日、この場所で、会うべくして会い、知り合うべくして知り合ったのだろう。Oさんの引きの強さは、傍で見ていても目を見張るものがある。

かくいう僕はどうだったかというと、懇親会で、こんなことがあった。

地元の映画館の館主ご夫妻が懇親会に参加していた。主賓が大林宣彦監督だから、地元の映画館の館主の方が出席されるのは、もちろんのことである。僕もこの地に住んでいたときは、この映画館によく通い、良質のドキュメンタリー映画をよく見ていた。

長く館主として映画館を続けておられたご夫妻で、独特のオーラのようなものをお持ちだった。もちろん、そのことに対する自負もおありだろう。

僕はそのご夫妻をみて、そのオーラに圧倒されてしまい、ちょっとビビってしまったのだが、それでも僕は僕なりに、14年間この土地に住んでいたという自負があった。そこで、「自分はアヤシい者じゃございません。いまはゆえあって別の土地に住んでおりますが、かつてはこの土地に14年間住んで、この土地で勉強して参りました」的な話を、おそるおそるご夫妻にしたのだった。

すると、そのご夫妻が、ふと、

「あなた、じゃあYさんはご存じ?」

とお聞きになった。Yさんは、この土地に住んでいるときにお世話になった方である。僕の専門分野の話を聞いて、Yさんのお名前を思い出されたのだろう。

「Yさん!もちろんよく存じ上げております」

と、僕はYさんに大変お世話になった旨を申し上げた。

「Yさんはねえ、主人の同級生なんですよ」館主の奥様がそういうと、それまで、少し気難しそうに思えていた館主の方の顔が、少しほころんだ。

「そうか、Y君の知り合いか。僕の中学、高校時代の同級生だよ」

これをきっかけに、僕に対する不信感のようなものが解けたらしい。それ以降は、にこやかな表情で話がはずんだ。

14年間も住んでいると、この土地の人とは、必ずといっていいほど、誰かを介してどこかでつながっているものなのだと実感する。僕にとってこの土地で踏ん張ってきた14年間の蓄積は、何にも代えがたい財産なのだ。

編者のOさんにしてもそうである。3年間、南洋の島で、何かをたぐり寄せるように必死に生きていたことが、いまになって、思わぬ人とのつながりを生むのである。

「引きが強い」のには、たぶん、それなりの理由があるのだと思う。

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