芸達者たち
6月15日(土)
大雨の中、朝から休日出勤である。
3月にうちの職場の一部が新装開店となったことは以前に書いたが、新装開店にかかわった同僚たちが、一般のお客さん向けに各店舗の見所を紹介するというイベントが行われるのである。8つの店舗について、8人が30分程度ずつ、スライドなどを使いながら説明する。大雨にもかかわらず、定員260名のホールは満杯になった。
僕も新装開店にかかわってはいたのだが、「あまり役に立っていない」という理由で登壇はせず、客席の「関係者席」で同僚たちの話を聴くだけの仕事である。
同業者の話を「客として」聴くときは、いつも落ち込む。
8名の同僚たちのプレゼンが、どれもおもしろいのである。お客さんを引きつけるための、相当高度な話術を持っていて、時によどみなく、そして時におもしろく、飽きさせない語りをするのである。
(うーむ。俺にはとうていできない)
とひどく落ち込んだ。そらあ、俺とは違って本も売れるよ!
聴いているうちに、だんだん鬱になり、帰りたくなった。
さて、イベントはほぼ予定どおりに進行し、最後のパネルディスカッションもいい感じでまとめに入っていった。予定していた終了時刻となり、
(ようやく、これで終わりだな)
と思った矢先に、司会をしていた人が、
「それではここで最後に、会場にいる鬼瓦さんに、ひと言コメントをいただきましょう」
と言った。
ええええぇぇぇっ!!!お、俺???
だって、いい感じで話がまとまってたんじゃん!このまま終わろーよ!
というわけで、なぜか最後に、僕が少しお話しをして、終了予定時刻を5分ほどオーバーして、イベントは謎の終わり方をしたのであった。
会場の人は、キョトンとしていただろうな。明らかに俺のコメントはいらなかった。でもまあ5分ほど仕事をしたということで、ま、いいか。
居たたまれなくなり、すぐに会場をあとにした。
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