麦茶の話
いよいよ何も書くことがなくなった。
お酒を飲まなくなってから、
「なぜ、この社会では、これほどまでにお酒を飲むことが肯定的にとらえられているのか?」
ということについて、大いなる疑問を抱くようになった。
僕がお酒をやめた、ということを知らない人は、相変わらず、
「今度、飲みに行きましょう」
と、お酒を飲むのが当然、という雰囲気で社交辞令を言ってきたりするのだが、冷静に考えると、「今度、飲みに行きましょう」っていう社交辞令は、雑な誘い方だよなあ、と思ったりする。
ああいう時って、どう答えればいいのだろう。
「すみません。以前はお酒を飲んでいたのですが、2年ほど前からお酒をやめまして、お酒を飲みに行くのはちょっと…」
と、正直に言った方がいいのか、それとも、
「そうですね、そのうち行きましょう」
と、空手形を切っておいてもいいのか。
ちゃんとわかってもらいたい人には、前者のように答えるのだが、自分がお酒をやめたことをクドクド説明するのが基本的には面倒くさいので、さほど親しくない人には、後者のような答え方でお茶を濁したりすることがある。
お酒をやめて、何が一番腹が立ったかと言えば、ビールのCMである。
テレビを見ていると、いろいろな会社のビールのCMがこれでもかと流れてくるのだが、今をときめく人気芸能人たちを起用して、
「こんなにおいしくなりました」
とか、
「だまされたと思って飲んでください」
とか、ビールがいかに美味しいかを、ありとあらゆる方法で視聴者に見せつけてくるのである。
「チクショー!美味そうじゃねえか!俺は飲まないけどね!」
と、CMを見るたびに思うのだ。
元来お酒がそんなに好きではない僕ですら、そんな感情を抱くのだから、お酒が大好きな人が、ああいうCMを見たら、どんな気持ちになるのだろう?
たとえば、アルコール依存症で悩んでいる人にとって、あのテのビールのCMは、どのように映っているのだろうか。病気で悩んでいる人には、とても残酷なCMのように思えるのだが、考えすぎだろうか。
とにかく、世はビール至上主義なのである。トコトンまで、ビールの美味しさを追求する社会。
僕は今、もっぱら麦茶をゴクゴク飲んでいるのだが、ビールにそこまでの美味しさを追求するのだったら、麦茶にも同じくらいの美味しさを追求するような製品開発を進めてもらいたい、というのが、いまの僕の願いである。
もちろんこの場合は、ペットボトルの麦茶ではなく、家で煮出したり水出ししたりする麦茶のことである。
麦茶って、どのメーカーが美味しいの?
いま僕は、常陸屋という会社の「江戸麦茶」という昔からある麦茶ブランドを飲んでいる。もっとも僕はズボラな性格なので、「江戸麦茶」のパックを水出しして飲んでいる。本来ならば煮出して飲むべきなのだろうが、水出しでもけっこう美味しいのだ。
自分の中でしばらくは「江戸麦茶」が続きそうだが、少し冒険してみた方がよいのかどうか、思案中である。
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コメント
酒と麦茶の話でしたのでコメント。
なぜウーロンハイや緑茶ハイはあるのに、麦茶ハイはないのか。
これはどうやら日本人の麦茶に対するイメージが影響しているらしく、夏場は各家庭でヤカンで煮出した麦茶が冷蔵庫に常備されてて、誰かの家に行けば麦茶が出てくる。
そんなことから 麦茶=タダ 感があるらしく、作られてないとのこと。
なるほどなーとは思うものの、麦茶ハイの方が栄養素的には身体に良い気もします。
投稿: 江戸川 | 2019年6月11日 (火) 07時18分
なるほど、たしかに麦茶はタダという意識はありますね。となると、麦茶をペットボトルにして売り出しているあの会社は一体…。どうもペットボトルの麦茶を買うと、負けた感じがして悔しくなります。
投稿: onigawaragonzou | 2019年6月13日 (木) 00時49分