いまさらEテレ
この年齢になって、最近は「Eテレ」の子ども向け番組をよく見ている。といっても真剣に見ているわけではなく、娘が見ているのを横から断片的に見ているに過ぎない。いまさらの話だが、子ども番組ってのはなかなか侮れない。同じ時間帯にやっている民放のくだらないワイドショーよりも、はるかにおもしろいのである。
このブログの常連、明智こぶ郎さんと助手の小林君が御贔屓にしている「コレナンデ商会」という番組があり、聞いたところでは、むかし「カリキュラマシーン」という、僕らが子どものころ見ていた子ども向け番組を手がけた作家だったかディレクターだったかが、いまも現役でこの番組を手がけていると聞いて、びっくりした。
もう一つびっくりしたのが、この番組の音楽担当が、僕の高校時代の同じ部活の2学年上の先輩だった、ということである。その先輩は、在校中から、というか幼い頃から音楽の才能に秀でていて、高校卒業後は東京芸大に進み、その後、プロのミュージシャンとして華々しく活躍している。ピアノや作曲が主な専門で、僕の中では坂本龍一のようなイメージの人である。
ということは、音楽のクオリティーもすごく高い、ということなのである。もちろん、川平慈英という類い希なエンターティナーがレギュラーであるという時点で、クォリティーが高いことはいうまでもないのだが。
ほかの子ども番組も、「声の出演」で、有名な俳優や人気のお笑い芸人が担当してる場合が多いことを知って、なかなか手の込んでいる作りだなあと感心すること頻りである。
「作り込んだバラエティー番組」が、ほとんど望むべくのなくなったこの時代に、最後に残された砦は、Eテレの子ども向け番組だけなのではないかと、いまさらながら思うのである。
そんな中で、いちばんのテッパン番組は、やはり「おかあさんといっしょ」なのではないだろうか。いま、娘がいちばんハマっているのが、この番組なのだ。
とくに、毎回、番組の最後のほうに出てくる「からだタンタン」という歌が大好きで、録画しているこの部分を、何度も何度も繰り返す見るのである。
「からだ タタンタン、ゴーゴー!」
というフレーズに合わせて、「ゴーゴー!」と歌うのがお気に入りのようである。
といっても、娘はまだ「からだタンタンの体操が見たい!」と言葉で要求することができないから、テレビのリモコンを指さして、「ゴーゴー!」と叫びながら、自分の意思を伝えるのである。仕方ないので、リモコンでその場面を再生する。
で、それが見終わるとまた、テレビのリモコンを指さして、
「ゴーゴー!」
と叫ぶのだ。この繰り返しである。
ほかの曲にはほとんど目もくれず、なぜかこの曲ばかりを見たいのである。
歌に合わせて、歌のおにいさんとおねえさんが大きく身体を動かしながら体操するのだが、これがけっこうハードな体操で、しかも表情は絶対にニコニコし続けなければならない。それを見ていると、
「歌のおにいさんとかおねえさんって、かなり重労働なんだな。ギャラもそんなに高くないだろうに」
と思わずにはいられなくなる。
まあそれはともかく。
なぜ、娘はこの曲に対してのみ、中毒のような症状になるのだろう?
作詞を見たら「吉田戦車」とあった。吉田戦車の独特の世界観が、娘を虜にしているのだろうか。
娘が最近もう一つお気に入りの曲は、「おもちゃのチャチャチャ」である。これはむかしから有名な歌である。「おもちゃのチャチャチャ」の「チャチャチャ」の歌詞に合わせて、「チャチャチャ」と言うのが楽しいらしい。
「おもちゃのチャチャチャ」って、作詞が野坂昭如なんだね。あらためてびっくりである。野坂昭如による独特の言葉のチョイスのなせる業なのだろう。
子ども向けに作られたコンテンツというのは、むかしから奥が深いのだ。
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