キョスニムが愛した秋の空
台風のこととか、この時期恒例の「申請書祭り」(予告編大賞)の話とか、大河ドラマ「いだてん」の「懐かしの満州」のエピソードが神がかっていたとか、書きたいことはいくつかあるのだけれど、ブログを書くこと自体がしんどい。
台風の接近でたいへんだった12日(土)に、1通のメールが来た。
10年ほど前、韓国のK大学の語学学校で1年間勉強していたときの、4級の先生である。このブログでは「よくモノをなくす先生」として登場していたのだが、おそらく記憶にとどめている読者はいないだろう。
私よりもかなり年下の先生なのだが、外国語の先生というのは、それを初めて学ぶ者からすれば、「生まれたばかりの鳥が初めて見たものを親と思う」くらいの存在である。僕が習った韓国語の先生は何人もいるが、「よくモノをなくす先生」もその一人である。
最後に会ったのは、5年ほど前に、僕がK大学を訪れたときだった。それからまったく連絡をとっていないから、5年ぶりに連絡が来たことになる。K先生はいま、母校のK大学で非常勤講師をしているようだった。
韓国でも日本の台風のことがニュースになっていて、それで心配になってメールをくれたのかな?と最初は思ったのだが、メールの本文を読んで、まったくそうではないことがわかった。
「今日、ふと、キョスニムと奥様のことを思い出しました。
最近、韓国の空、とくに、キョスニムがこよなく愛した、 大学構内から見上げた空がとてもきれいで、先日大学構内を散歩していて、お二人を思い出したのでした。
お二人はいま、どのようにお過ごしですか?韓国へいらっしゃる機会はありませんか?
安否が気になってメールしました。
素敵な秋の季節、素敵にお過ごしください」
そうか。あれから5年、こちらの消息をまったく伝えていなかった。
僕は、返信に、昨年に子どもが生まれたことを書いた。
それともうひとつ。
僕の友人が、この9月から、僕の通っていた韓国のK大学に就職することになった。これもまた、深い因縁である。
その友人は、韓国語が堪能で、僕も妻も韓国に留学するときにはその橋渡しになってくれたりして、ずいぶんとお世話になった。その後も、いろいろなプロジェクトで一緒に仕事をしている。
メールの返信には、そのことも書いた。
「僕の親しい友人が、この9月から、K大学の研究教授になりました。韓国人のように韓国語が堪能ですし、とても人柄がいいので、機会があったら会いに行ってみてください。僕たち夫婦の話題を出せば、きっと会話がはずむはずです。
そんなこともあり、これからまた、K大学を訪れる機会が増えると思います。その時はまた連絡します」
すると返信にこうあった。
「お子様のご誕生を祝福せずにはいられません。この週末は、夫ともその話題で持ちきりでした。
週明けにK大学に行くので、キョスニムのご友人のところに行って、キョスニムのお話しをしてみようと思います。
K大学にいらした時には、必ずご連絡ください。私の子どもは10歳になりました。育児のノウハウを教えて差し上げます」
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