ご当地グルメ2択
11月2日(土)
前日の晩、新幹線と在来線を乗り継いで、自宅から5時間ほどかけて、北の町に到着した。
この町に宿を取るのは、10年以上ぶりくらいである。
翌朝、駅前に集合し、10人ほどの同業者と貸切バスに乗って、まる一日、「大人の遠足」である。昨年は、南の町を訪れたので、今年は北の町になったのである。
お昼は、町の中心部から少し離れたところにある、観光施設のようなところで、昼食をとることになった。
さて、お昼は何を食べよう?
今回の幹事のSさんは、この町の出身で、いまもこの町につとめている。Sさんに聞くのが間違いない。
「この町の名物は、焼きそばと、ラーメンと、うどんです」
「そうですね」
「うどんは、この県の名物の一つと言われていますが、もともとは、この町に元祖があります」
「そうなんですか」
僕はこのうどんが好きで、この県を訪れたときには、しばしばおみやげに買って帰るのだが、そういう意味ではいつも食べているから、今回の選択肢からははずすことにした。
「この町といえば、焼きそばですよね」
「ええ。でもラーメンも有名です。細い縮れ麺で、スープもあっさりしています」
「そうなんですか?」
僕はとたんに迷ってしまった。焼きそばを食べるつもりでいたが、話を聞いてみると、ラーメンも捨てがたい。
「一つ、注意点があります」
「何でしょう」
「焼きそばも、ラーメンも、この町では、おやつ代わりに食べるものなんです」
「そうなんですか?」
「ええ。なので、ふつう盛りが少なめに設定されています。昼食として食べる時には、大盛りにした方がよいです」
「なるほど」
「それと、焼きそばの食べ方についても注意点が」
「何でしょう」
「焼きそばは、出されたそのままを食べるのではなく、そこにソースをかけ足して食べるのが、この町の焼きそばの食べ方です」
「追いソース、ですか?」
「ええ。この町では、みんなそういう食べ方をします。とくに上に乗っかっている目玉焼きの黄身をめがけて、ソースをかけるのです」
「なるほど」
「できれば、びちゃびちゃになるくらいかけた方がいいです。つけ麺感覚で」
「わかりました」
「もしこの町の焼きそば屋さんに行って、焼きそばと一緒にソースが出てこなかったら、馬鹿にされていると思ってかまいません」
なんと、それほどまでに、「追いソース」へのこだわりが強いのか…。
さて、焼きそばにするか、ラーメンにするか…。
「細い縮れ麺のあっさりスープ」は、「前の前の勤務地」のご当地ラーメンとも近い感じがしたので、なんとなく味の予想がつく。やはり、ここは焼きそばだろう。
言われた通り、親の仇、ってくらい、目玉焼きの黄身の上に、ソースをかけてやったぜ。
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コメント
昨日大量に作ったフロなんとか。
仕方ないので朝飯がわりに食べようとすると、がっちり固まって崩せない。
スプーンで横手の方に掘り進めていくが、すぐに飽きた。
ああ、イナニワ、否、イライラする。
なんとか、包丁で十文字に切れぬものか。
結局、親の仇ってくらい、フロなんとかの上に、牛乳をかけてやったぜ。
投稿: 美術館の横手のこぶぎ村 | 2019年11月 3日 (日) 08時58分