ワンオペジェネレーション
11月20日(水)
日曜日から金曜日まで、妻が出張のため、僕が1歳7カ月の娘の世話をしなければならない。
実家の母に応援に来てもらっているから、正確には「ワンオペ育児」ではないんだけどね。
それでも、怠惰な僕にはかなりな冒険である。
朝8時に保育園に送り届け、夕方6時に保育園に迎えに行く。これだけは毎日守らなければならない。
で、その合間に職場に行くことになるのだが、すでに何度も書いているように、僕の通勤時間は、片道2時間半、往復5時間である。
午前8時から午後6時までの10時間のうち、実に半分の5時間が、通勤時間にとられてしまうのだ。
残りの5時間で職場の仕事を片づけなければいけないわけなのだが、5時間まるまる、ぶっ続けで仕事ができるわけではない。お昼ご飯も食べなければならないし、いつなんどき、電車が遅延するかもわからないので、帰りは少し時間的余裕をもって職場を出なければならない。
そんなこんなで、実質仕事ができるのは4時間ほどである。この4時間の中で、書類の作成やメールの返信、会議や打ち合わせをこなさなければならないのだ。
まさに時間との闘いである。
帰るときも、常に電車の運行情報をチェックする。もし、ふだん使っている電車が運転見合わせなどになった場合、他のルートを考えなければならないからだ。とくに最近は、電車がスナック感覚で遅延したりするので、何にも知らないでいるとたいへんなことになる。
保育園から帰ってきてから寝るまでが戦争。起きてから保育園に送り届けるまでが戦争。
1歳7カ月の子どもは、いわば怪獣と同じなのだ。怪獣を懐柔するのが晦渋な僕の使命である。
食事を食わせ、ウンチを出させ、お風呂に入れて、着替えをさせ、歯を磨かせ、寝付かせる。これでようやく、1日の闘いが終わる。
…と思ったら大間違い。日によっては、1時間おきに夜泣きすることもあり、気が抜けない。
それに、寝ている時を見はからって、手足の爪を切らなければならない。
赤ちゃんの爪は、はさみを使って切るのだが、指が細いので、指まで切ってしまわないか、不安でたまらない。びくびくしながら切っていると、額に玉のような汗が吹き出し、さながら手術中の執刀医を思わせる。
月、火、水と、いまのところ、時間どおり送り迎えができており、娘の健康も問題はない。
今日は「握手」という言葉を覚えてきたようだ。
夕食の時、「あくじゅ、あくじゅ」といって手をさしのべるので、何かと思ったら、握手をしたいということらしい。
握手をしたあと、ふんぞり返って夕食を食べる姿は、さながらふてぶてしい政治家風情である。
このところ、言葉を覚えるスピードが異様に速い。妻が出張から帰ってくるころには、ペラペラになっているのではないだろうか。
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コメント
私の母方祖母は和裁をやる人でした。
私が生まれてすぐ父親は喘息がひどくなり何年か入退院を繰り返してたので、私の幼少期は祖母宅にいた時間の方が長かった。
物事が段々分かるようになってきたころ、祖母が裁ちばさみで爪を切っているのを見た。昭和の古い巨大なハサミ。子どもながらに危なくて見てらんないわけです。
今回の記事を拝見いたしまして、まさか祖母が裁ちばさみで私の爪切ってたりしないよな。と思い勝手に昔語りしてしまいました。
ちなみに祖父は大工でして、金田一耕助に登場するような古びたデカい刃物がごろごろありました。
投稿: 江戸川 | 2019年11月21日 (木) 18時14分
コメントの文章から、昭和の旧家のイメージが伝わってきます。おばあさんが巨大な裁ちばさみで爪を切る姿を想像すると、ちょっとまがまがしい。当時は赤ちゃん用の爪切りばさみなんてものはなかったと思われるので、あるいは…という気もします。
ちなみに私の祖父も大工でした。
投稿: onigawaragonzou | 2019年11月23日 (土) 01時01分