オフ会ならぬ、オン会
12月20日(金)
久しぶりに「前の前の勤務地」に訪れる。
「新幹線の停まる駅」で集合し、ジャンボタクシーに乗ること1時間弱。山の中の小さな建物。
完全防寒体勢に防塵マスク、ゴム手袋、使い捨てのビニールポンチョという厳戒態勢で作業した。中身の濃い内容で、すっかり疲れてしまった。
夜になり作業チームは解散し、その後こぶぎさんと合流する。
何度も書いていることだが、こぶぎさんとは、ふだんまったく連絡を取り合っていない。たまたま、僕が「前の前の勤務地」に仕事で訪れたりするときに、「オフ会」と称して喫茶店で喋る。不定期会合なのである。
で、たいていは、前回会ったときから久しぶりなものだから、その間に起こったさまざまな出来事をこぶぎさんが次々とまくし立てていくのである。いつも、袋いっぱいの「小ネタ」を詰めて。
さて、こぶぎさんの車に乗り、「どこへ行きましょうか」と、聞くと、
「これから、○○○コーヒーに行きます。あそこはWi-Fiがありますから」
「Wi-Fi?」
「ええ、今回はネットにつながらないと、いろいろなお話しができません」
「それ、オフ会じゃないでしょう」
「ええ、ですからオン会です。…いや、半オフ会?オンオフ会?」
「そんな呼び方はどうでもいいです。ネットをオフにして集まるからオフ会なのに、ネットがないと成立しない会なんて、本末転倒じゃないですか?」
「たしかに」
喫茶店に着くと、こぶぎさんはさっそく自分のノートパソコンとタブレット端末を店内のWi-Fiにつないだ。そして大きなビニール袋から取り出した数々の小ネタ、比較的大きめのノートパソコン、そしてタブレット端末を駆使して、この間の出来事を怒濤のように繰り出したのだ。
袋からアヤシげなものを出したり、ノートパソコンの画面を僕のほうにむけてまるで紙芝居をするように説明をしたりと、まわりの人が見たら、「アラフィフのこの人たちは、いったい何をやっているんだろう」と、不審がられたに違いないのだ。
あっという間に閉店時間となった。
「なんとか、話したいことがギリギリ話せました」こぶぎさんは、話すことを箇条書きにしたメモを持っていて、どうやらそこに書かれた話題をすべて話しきったようだった。
「考えたら、鬼瓦さんの話、全然聴けなかったですね」
そうだ。考えたら、こっちの話は全然していない。
店を出て、車に乗り込み、ホテルまで送ってもらう。
ホテルに着く数分前、
「そういえば…」といって、僕はある話を思い出した。
「かくかくしかじか…ね?すごい話でしょう。すごくおもしろい話なんだけれども、絶対ブログには書けない」
「たしかに…。というか、オフ会とは本来、そういう話をする場でしたね。ブログに書けない話をしてもらう場でした」
「ようやく気づきましたか。こぶぎさん」
「最後の最後に、ようやくオフ会らしくなりました」
「わずか数分でしたけれどね」
ただ次回もまた、こぶぎさんは大きな袋にたくさんの小ネタを詰め込んで、Wi-Fi環境のある喫茶店で、大きなノートパソコンを紙芝居代わりに使いながら、自分の身のまわりに起こった出来事をまくし立てることだろう。というかそれが、こぶぎさんとの本来のオフ会の形なのだ。
「じゃあまたいずれ」
「お元気で」
次のオフ会はいつになるのか、なりゆきまかせである。
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コメント
(おことわり)
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投稿: お先にこぶぎ | 2019年12月21日 (土) 08時49分