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現実逃避の連鎖

職場で作る小冊子の編集担当をすることになって、全体の構成を考えて、同僚たちに原稿依頼をした。

ある若い同僚に、600字程度の原稿依頼をメールでしたところ、数時間経ってすぐに原稿が送られてきた。締切は、来年の1月半ばだというのに。

その同僚からのメールには、こうあった。

「週末の学会発表や○○○○の制作準備、××先生と△△先生と◇◇先生からの(それぞれ別の)依頼分析の対応でバタバタしております。現実逃避しながら作成致しましたが、添付のようなものでよろしいでしょうか。ご査収のほど、よろしくお願い申し上げます」

若手ということで、年上の同僚たちからこき使われ、それに輪をかけて僕が原稿依頼をして、申し訳ないことこの上なかったのだが、彼にとってみたら、600字の小文が現実逃避、あるいは息抜きになったのかも知れない。

現実逃避は、絶対に必要だ。

僕自身も、ここ最近はいろいろな仕事に追われて、というか、正確に言えば、今後起こりうるさまざまな仕事の段取りに追われて、逃げ出したい気持ちなのだが、そういうときに限って、どうでもいい仕事や不要不急でない仕事をしてみたくなる。だが、なかなか現実逃避の方法というのは簡単には見つからない。

今日たまたま、同僚からA4の用紙で2枚ほどの原稿をもらった。年明けに来る韓国人のお客さんたちに配る原稿である。

(ずいぶん早く作ったなあ)

まだ時間があるというのに、その同僚は、早々と、その原稿を作って僕のところにもってきたのである。

その同僚は、僕以上に忙しい人なのだが、いろいろな仕事を抱えているはずなのに、いってみれば、こんなどーでもいい原稿を早く仕上げてきた。ひょっとしてこれも、現実逃避のなせる業かも知れない。

僕はその原稿を読んで、あることに気がついた。

これを配る韓国人のお客さんたちは、韓国語がネイティブだから、日本語の文章を出されてもなかなか理解できないだろう。加えて、特殊な用語が多すぎて、韓国人にとってはさらに理解が難しいだろう。

そこで僕は、この原稿を韓国語に翻訳することにした。

誰に頼まれたわけでもないし、お客さんが来るのはまだ先の話である。しかも、それ以前にやらなければならない案件が山ほどあるのだ。

翻訳を始めてみると、現実逃避にはちょうどよい。

なんだろうね。ふだん使っている脳の部分とは別の部分を使っているのかな。

現実逃避で書いたと思われる同僚の原稿を、僕が現実逃避のために翻訳をする。

これはまるで、現実逃避の連鎖である。

というより、この世は、現実逃避の連鎖でできているのではないだろうか。

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