課題演習、の日
12月5日(木)
午後、「前の職場」の同僚二人が、学生15人を連れてうちの職場を訪問する。「課題演習」という授業の一環だそうである。
午後1時からはおそらくノンストップになるだろうから、午前中のうちに仕事を済ませ、それと並行して午後の準備もおこなった。
「一つ、困った問題が起きました」お昼近くになって、担当事務の人がやって来た。
「どうしたんです?」
「1時から講義室で、団体さんと一緒にB先生の話を聞くことになっていましたよね」
「B先生がどうかしたんですか?」
「いえ、そうではなくて、同席する予定の団体さんが、午後1時より15分ほど遅れてくる、というんです」
ここで解説をしておくと、前にも書いたように、この「課題演習」のメインは、期間限定の臨時店舗について勉強することなのだが、勉強するにあたって、店長のBさんの解説がどうしても必要だった。
だがこの日は木曜日で、Bさんが外勤で職場に不在の日である。
ダメ元でBさんに都合を聞いてみると、この日は11時半~14時の間は、いったん職場に戻ることになっており、その時間に、お世話になった会社への説明と、団体さんへの説明を請け負っているのだという。
お世話になった会社への説明は、臨時店舗で12時から。団体さんへの解説は講義室で13時からである。で、この13時から始まる団体への説明に混じって話を聞いてもらうことではどうか、ということになり、13時からBさんの解説を聞くことになった。
ところが、団体さんが15分遅れてくる、というのだ。
Bさんのタイムリミットは遅くとも14時なので、1時15分から説明を受けるとしたら、ごくわずかの時間しかない。それは実にもったいない。だって当初は、1時~1時半の約束でお願いしたのだから。
どうしたらよいものかと、外勤から戻ってきたBさんに聞いてみると、
「予定どおり1時から始めましょう。まずは大学生向けに喋ります。あとから団体さんが来たら、全体的な説明をします」
と答えが返ってきた。
午後1時。「前の職場」の学生たちが集まり、講義室に移動する。
Bさんはまず、大学生向けの話をした。
1時20分、50名ほどの団体が遅れて講義室に入ってきた。
するとBさんは、こんどは大学生と団体客の両方に向けた話をした。
その話術は、思わず聞き入ってしまうほど、すばらしかった。
気がついたら、30分の予定が、1時間がたった。
Bさんは1時間の講話を終えると、慌ただしく次の外勤先に飛び出していった。
「課題演習」の次は、「舞台裏見学」である。
30分ほど予定している「舞台裏見学」は、僕の担当ではなく、担当職員が解説するので、そちらにお任せすることにし、彼らが見学しているわずかな時間に、別件の仕事を片づけることにした。
ところがメールをチェックすると、職場の事務で思わぬトラブルが発生していて、その事態を収拾するだけで終わってしまった。
40分後、「舞台裏見学」を終えた学生たちが戻ってきた。
午後3時。控え室となっている研修室で、今度は僕が20分ほどスライドを使いながら喋る。
そのあと、Bさんが手がけた臨時店舗を見てもらい、さらに4時からは最近新装開店した常設店を僕が解説しながら30分ほど見学した。
この時点ですでに4時半。うちの店舗の閉店時間である。
あっという間に時間が過ぎた。というか、じっくり見る時間がなかったぞ。
でもまあ明日の午前中もうちの職場に来て、各店舗を見学することになっているそうだから、今日は慌ただしくても仕方がない。
午後5時過ぎ。職場を出て、駅の近くの居酒屋で、打ち上げをする。
学生たちに感想を聞いてみると、大部分の人がおもしろがってくれた。とくにBさんの講話がとても興味深かったという感想が多かった。
我ながら、中身の濃い半日になったと思う。
打ち上げでは、久しぶりに学生さんたちとお話しをした。
はっきりわかったことは、僕が「前の職場」にいた頃と今とで、学生に対する印象は、まったく変わらない、ということである。そのことに僕は安堵したのだった。
打ち上げとか懇親会が嫌いな僕も、今日ばかりは楽しくて、最後までおつきあいした。
学生に、何かを植えつけることができたかなあ…。
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