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業界の中心で、恋愛を語る

ある業界誌の新年号で、恋愛をテーマにした特集を組むということで、原稿依頼が来たのが、昨年の連休明けくらいだったか。ふだんお世話になっている人からの依頼なので、断るわけにいかず、引き受けてしまった。

なんで俺が恋愛について原稿を書かなきゃいけないんだ?と思ったのだが、おそらく誰かほかの人に依頼して、断られたんだろうな。なにしろ、与えられたテーマが無茶ブリのような難易度の高さである。で、「鬼瓦だったら、なんとかしてくれるだろう」と思って依頼してくれたものと思われる。そうでなかったら、僕に依頼が来るはずがない。

何を書いたらいいのか全然わからなくって、ずーっと後回しにしていて、締切が近づいたあたりになって、「こりゃあ何か書かないとマズい」ということになって、慌てて書き始めたのが夏真っ盛りの頃である。

ところがこの時期、僕はひどく体調を崩し、原稿を書くどころの状態ではなかった。しかしまあ、それが逆に功を奏したのかも知れない。どうせこの先、こんな原稿を書く機会もないだろう、だったら自分が書けるものを書こうと腹を括り、ひどく悪い体調の中、400字原稿用紙で20枚ちょっとの原稿を書きあげた。

いまの自分にはこの程度のことしか書けない。もしこれがハシにもボウにもかからないような内容だったら、遠慮なくボツにしてもらってケッコウ!と開き直って原稿を送信した。そうしたら、ほとんど手直しすることなく掲載されることになっちゃった。

で、その雑誌が最近ようやく刊行されたのだが、ほかの人の書いているものと見比べると、明らかに僕の原稿だけ、毛色が違う。例によって僕の文章は「みんなに冷や水をぶっかける」ような内容なのである。

恋愛についての特集といっても、自分の体験を述べるわけではない。ざっくりいえば、「他人の恋愛体験を形而上学的に分析する」という趣旨の特集である。僕以外の原稿のほとんどは、そういう趣旨で書かれていた。しかし僕は、他人の具体的な恋愛体験を形而上学的に云々できるような資格はないし、その力量もない。なにより怖いのは、そんなことをしたり顔で語ることによって、僕自身の「底の浅い恋愛観」「ステレオタイプの恋愛観」が白日の下にさらされることになってしまう。

結局、「恋愛について語ることは難しい」という趣旨のことを述べるしかできなかった。

実際、恋愛という内面の問題を、当事者でない人間が、あれこれと知ったふうな顔で語ることなど、できはしない。そこに見え隠れするのは、自分自身の恋愛観だったり、ステレオタイプの恋愛観だったりする。

テレビのワイドショーで、芸能レポーターやコメンテーターが発言しているのを見ていると、いつもそんなことを思うのだ。

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