原稿ため込み党、史上最大の危機
大河ドラマ「麒麟が来る」。
「戦国もの」は苦手なのだが、長谷川博己が主演ということで、試しに見てみることにした。
たぶん、多くの人が感じたと思うが、初回は、黒澤明監督の映画のオマージュで溢れている。
冒頭の、野党と戦う場面は、「七人の侍」。
マチャアキ扮する「名医」が登場する場面は、「赤ひげ」。
画面全体の色彩は、「乱」。
そもそも衣装担当は、黒澤明監督の娘の黒澤和子さんなんだね。
今回は、そんな話がしたいんじゃない。
すべての原稿が遅れているのである!
かつてないほどの危機的な状況である。
年末に、二つの出版社から、「原稿、どうなってますか?」とメールが来た。
両者とも、遅れに遅れている原稿で、出版社の習わしなのか、年末になると、原稿の進捗状況を聞いてくる。聞いておかないと、編集者も年を越せないのだろう。
で、僕は毎年、「すみません」と返事を書く、という状態が、ここ何年か続いている。
このほかに、雑誌に書かなければならない原稿がいくつかある。
原稿が間に合わなくて出せなくなることを「落ちる」という。「脱落する」という意味である。
ある雑誌の原稿が、そろそろ「本当の締め切り」(これもまた業界用語)なのではないかと思いながら、怖くて編集担当者に聞くことができない。たしか「本当の締め切り」が昨年末だった気がする。
ひょっとして、もう落ちたんじゃないかと思い、今日、編集担当者におそるおそる聞いてみたところ、
「ある重要なメンバーの方の原稿がまだ来ていなくて、その方の原稿をなんとしても載せたいので、待っている段階です。もし○○日まで間に合うようだったら出して下さい」
と返信が来た。
ちょっと待て!もしその「重要なメンバーの方」がすでに原稿を出していたら、俺の原稿を待たずに入稿してしまうつもりだったんだな!俺の原稿は、載っても載らなくてもいいってわけだ。
軽く死にたくなったが、それが自分の実力なのだから仕方がない。
来週末が締め切りのある本の原稿。まだ全然書けていないが、公共性の高い性質の原稿なので、これを落としたらシャレにならない。
さらに「企画もの」のシリーズに書く予定の複数の原稿に至っては、現在、1文字も書いていない!
うーむ、困った。原稿ため込み党史上、最大の危機である。
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 散歩リハビリ・14年後(2024.10.21)
- ふたたびの相談(2024.09.29)
- 今年の新語流行語大賞予想・2024(2024.09.28)
- 引きが強い親子(2024.09.21)
- 素浪人になりたい(2024.09.19)
コメント
SNSバブルもあっという間に泡と消え、これからが本番だというのに、つぶやきを見に来る人数は元に戻ってしまった。
予定稿ため込み党・党首の沽券にかけて、もちろんSNSのつぶやきも沢山書き貯めておいて、予約投稿機能で後から公開しているのだが、
相手は、生き馬の目を抜くようなネット社会である。
何しろ、バズっているキーワードが日々刻々と変わってしまうので、せっかくの予定稿つぶやきが、タイミングを逃した内容になってしまうのだ。
だからその都度、既に書き終わったつぶやき文面のハッシュタグを修正して、再び登録し直しているのである。
庭の盆栽に挟みを入れてるんじゃあるまいし、
毎日、既に登録したつぶやきを削除しては、あーでもない、こーでもないと書き直していたんじゃ、予定稿をため込む意味が全くないではないか。
無限地獄かよ。
やはり、どこぞのコメント欄くらいがちょうどいいのである。
投稿: 盆栽こぶぎ | 2020年1月23日 (木) 11時30分
(続き)...などと、コメント欄を書いていたら、日韓合同アイドルグループが来月、活動再開するというニュースが飛び込んで来た。
実は、上のSNSに加えて、自分自身のSNSでは、ひょんなことから、このアイドルグループのニュース速報を日英韓三か国語に翻訳してつぶやく、という通訳ボランティアみたいなSNSもやっていたのである。
さて、SNS上から飛び込んで来た一報ではあるが、発信元とされた会社のホームページに公式文が出てないので、裏がとれない。
そこで、韓国各メディアが一斉に報じているのを確認してから、それを根拠に速報つぶやきを打つ。
本国でのマスコミ発表に遅れること、30分余。
一体、何をやっているんだか。
投稿: こぶぎワン | 2020年1月23日 (木) 12時33分