マス句
退屈な満員電車に乗りながら考えた。
満員電車で、たくさんの人がマスクをしている。しかもマスクはどれも真っ白で、面白くも何ともない。
あそこに何か文字なり絵なり書いてあれば面白いんだがなあ。
たとえば、マスクに俳句を書いたらどうだろう。
…いや、あの小さなスペースに、575の17文字を書くのは、いかにも窮屈だ。
そこで僕は考えた。全部を書かずに、上五か、中七か、下五のどれかを書けばよいのではないか。
たとえば、上五でいえば、「柿食えば」とか「五月雨を」とか、もちろん先達の句ではなく、オリジナルの上五を作る。
別のマスクには、中七を書く。「鐘が鳴るなり」とか「集めてはやし」とか。これもオリジナルの中七を作る。
さらに別のマスクには、下五を書く。「法隆寺」とか「最上川」とか。
で、そんなマスクをした人が、満員電車にたくさん乗ってるわけよ。
僕はというと、乗客のマスクを見渡して、適当に上五の中七と下五をくっつけて、俳句を作る。季語がないから、俳句というよりも川柳というべきか。もちろん、上五のつもりで書かれた言葉を下五にもってきてもいいし、逆もまた真なり、である。
それを、自分の頭の中だけで楽しむのだ。
こうしてできた句を、「マス句」と呼ぼう。
そうすれば、あの満員電車も、少しは面白くなるんじゃなかろうか。
…ま、不謹慎だと、怒られるだろうな。
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コメント
日本一の大規模イベント。人数・密集・換気無なのに毎日参加。
出来上がる川柳が普段以上に皮肉と自虐に満ちたサラリーマン川柳になること間違いない。
投稿: 江戸川 | 2020年3月11日 (水) 08時14分
同い年 派手なドテラは どこで買う
最終夜 藤やんうれしー 配信中
アイズワン 伯山 同時に 千秋楽
震災の エリートパニック コロナでも
こちらでは 実は何にも 起こってない
投稿: こぶぎ宗匠 | 2020年3月11日 (水) 23時11分