パパ、ズボンはいて!
もうすぐ2歳になる娘の最近の口癖は、
「パパ、ズボンはいて!」
である。
お風呂上がりに下着で歩いていると、それをめざとく見つけて、
「パパ、ズボンはいて!」
というのである。そのうち僕は、わざと下着で部屋の中を歩くようになり、
「パパ、ズボンはいて!」
と言わせたりしている。どんなプレイなんだ?
今日のお風呂上がり、娘を寝かしつけようと、娘を抱っこしようとした。
布団に入って素直に寝てくれることはなく、縦抱っこをしないと寝てくれないのだ。で、眠ったころを見はからって、布団に寝かせるのである。
ところが、まだ遊んでいたいというときや、寝たい気分でないときは、抱っこを断固拒否する。もう少し遊ばせろ、ということなのである。
それでもこっちとしては、早く寝かしつけたい。
「抱っこするよ」と、こちらが両手を差し出すと、「やだー」と、断固拒否した。
それでもしつこく、両手を差し出して抱っこしようとするポーズをこちらがすると、ますます拒否反応を示し、逃げ回り、大声で泣き出した。
まるで、こっちが虐待しているかのごとくである。
「抱っこするよ」
ワーン、ワーン、ワーン!!!
「抱っこするよ」
ワーン、ワーン、ワーン!!!
…とにかく本気で大泣きするのである。
そんなに拒否しなくてもいいだろう、と思うのだが、全力で拒絶される。
それでもしつこく抱っこしようとすると、精一杯大声で泣き、
「ワーン、ワーン、パパズボンはいてぇ~、パパズボンはいてぇ~、ワーン、ワーン、パパズボンはいてぇぇぇぇぇ~、パ~パ~、ズ~ボ~ン、は~い~て~、ワーン」
と、力の限り、「パパ、ズボンはいて!」を叫び続けるのだ!
たしかに僕は、お風呂上がりに下着のままである。だが、
「いまそれは関係ないやろ!それをいうなら、『まだねんねしたくない~』やろ!」
と、こっちもついそう言いたくなる。
まだボキャブラリーの少ない娘は、なんとか全力で拒否したいと思い、知っている言葉をありったけ僕に浴びせたのだろう。
「パパ、ズボンはいて!」
と言うと、パパは従順にズボンをはくことを知っていたから、このときも、
「パパ、ズボンはいて!」
と言えば、「まだねんねしたくない」という自分の願望にパパも従順になってくれるだろう、と思っているのではないだろうか。
言葉を武器にしたいが、武器にするボキャブラリーが少ない時期にあらわれる、特異な現象というべきであろう。
…と、パンツ一丁の僕は、そう考察したのであった。
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