いたばさみ
今年の大河ドラマ「麒麟がくる」。
長谷川博己が主演ということで、いちおう見続けているが、ストーリー自体は、前回の「いだてん」ほどの起伏がないので、やや単調な印象を受ける。脚本はベテランの池端俊策なので、安定感はあるのだが、僕がクドカンのキレッキレの脚本に慣れてしまっているせいかもしれない。
第7回「帰蝶の願い」(3月1日放送)のあらすじは、公式ホームページによると、以下の通りである。
「駿河の今川義元(片岡愛之助)の動きに脅かされた信秀(高橋克典)は、美濃の道三(本木雅弘)と和議を結ぶことを決める。そのために、道三の娘・帰蝶(川口春奈)を、信秀の嫡男・信長(染谷将太)の妻に迎え入れたいと申し出る。
旅から明智荘に帰った光秀(長谷川博己)を、帰蝶が待ち構えていた。幼なじみで、ほのかな恋心を抱く光秀に、今回の尾張への輿(こし)入れを止めてほしいと頼む。一方、道三からは、口をきかなくなった帰蝶を説得するように命じられる。」
もう少し、僕の脚色をまじえて詳しく説明すると、以下の通りである。
織田信秀が斎藤道三と和議を結ぶ条件として、信秀の息子の織田信長と道三の娘の帰蝶との政略結婚させることを提案してきた。道三はその条件をのみ、帰蝶を説得しようとするが、
「知らない人と結婚するなんて、絶対にヤだ!」
と帰蝶が拒絶し、お父さんと口をきかなくなってしまう。
困り果てた道三は、家臣の明智光安(光秀の叔父)に、明智光秀を通じて帰蝶を説得するようにと命じる。光秀の言うことなら帰蝶は聞く耳を持つだろうと、道三は考えたのである。
光秀は叔父の光安(西村まさ彦)から「おまえは帰蝶さまから信頼されているんだから、おまえの口から説得すれば、帰蝶さまも言うことを聞くだろう。よろしく頼む」と言われる。
(それとこれとは話が別だよ…)
と言いたいところだが、叔父の言うことなので光秀は逆らえない。
そこで、光秀は帰蝶を説得しようとするのだが、帰蝶は、
「輿入れの話なら、絶対ヤだからね!お父さんにそう伝えといて!」
と突っぱねる。帰蝶の気持ちもわかる。光秀は渋々道三のところに行き、帰蝶の輿入れに反対する意見を述べる。
道三はその場で激昂するが、冷静になって考えてみると、説得できるのは光秀しかいないことに思い至る。
「…やっぱり、帰蝶を説得してくれ。おまえしかおらん」と、道三は光秀に懇願する。
(まいったなあ…)
お城を出ようとすると、今度は道三の息子、齊藤高政(伊藤英明)とその取り巻き連中(村田雄浩ら)に呼び止められる。
「さっき、父の前で、帰蝶の輿入れに対して、公然と反対意見を述べたそうだな」
「はあ」
「それでよろしい!織田信秀と和議なんかしたってしょうがない。親父はいったい何を考えているんだ!ここは絶対、帰蝶の輿入れを阻止しろよな!引き続き親父を説得しろ!」
「はあ」
主君の道三と叔父の光安からは、「帰蝶を説得しろ」と言われるし、道三の息子の高政と帰蝶本人からは、「父の道三を説得しろ」と言われるし…、
(いったい、どないせえっちゅうねん!)
と、光秀は板挟みになるのである。
なんということのない話ではあるのだが、自分の仕事に置き換えてみると、最近はこんな役回りばかりさせられているので、光秀が板挟みになる状況が、手にとるようにわかる。
こういうとき、どうすればいいんだろう?
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