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日光浴ラジオ

4月26日(日)

家の中にばかりいては運動不足になるし、そもそも太陽の光に当たっていないので、今日の午前中は、うちのマンションに屋上的なスペースがあるんだけども、狭いところだがそこでぐるぐると散歩することにした。

風が少しあるが、日差しが強くて暖かい。遠くに富士山もかすかに見える。

30分も散歩すると、もう飽きちゃった。そりゃあそうだ。だって同じところをぐるぐる回っているだけだから。

で、ディレクターズチェアみたいな椅子を持ち出して、そこに座ってラジオクラウドを聴くことにした。

何日か前に放送された、TBSラジオ「荻上チキ Session22」のメインセッション「新型コロナウイルスとの向き合い方~第2弾」を聴くことにしたのである。

https://www.tbsradio.jp/476515

この番組については、このブログでたびたび取り上げているが、僕は毎日聴いているわけではなく、面白そうな特集の時には聴く、という程度である。取り上げる話題が話題だけに、まじめに全部聞くと、疲れちゃうから。

荻上チキと同世代の若い論客って、いまけっこういると思うんだけれど、たいてい僕にとっては「しゃらくせえ」存在なのだが、荻上チキだけは、唯一共感できる。

なぜなのかと考えてみたのだが、この世代の論客で、荻上チキだけが唯一、「マイナスをゼロにする」仕事を意識的にしているからだということに気づいた。

若い世代の論客って、やれITだの、やれイノベーションだのと、「0→1」とか「1→10」みたいなことに最上の価値を置く人が多い、ような気がする。偏見かもしれないが。

そういうのって、とっても口当たりがいいことだし、なによりすぐ金儲けにもつながるので、たぶんいろんな人たちに重宝されるのだ。

でも「0→1」とか「1→10」を当然の価値観として公然と話題にあげて、そこに身を置く人というのは、僕は苦手なのである。

あと、「ちゃぶ台をひっくり返す」系の若い論客も苦手である。そういう人がテレビに出るとすぐにチャンネルを変える。

荻上チキは、いじめやハラスメントをなくすにはどうしたらいいかとか、薬物依存症で苦しんでいる人をどのようにして社会に復帰させていくべきなのか、といったこと、すなわち「マイナスをゼロにする仕事」に自分の身を置いているところに共感できるのである。

最近の「Session22」は、こんなご時世であることもあって、新型コロナウィルス関連の特集ばかりやっていて、ちょっとげんなりしてしまうのだが、それでも、ウィルス学者の峰宗太郎さんがゲストの回の特集は、聴いておくべき内容だと思う。

先月だったか、「新型コロナウイルスとの向き合い方~第1弾」をたまたま聴いていて、峰さんの解説がとてもわかりやすく、誠実だったので、第2弾も聴いてみようと思ったのである。

いま、テレビ番組なんかを見ると、感染症の専門家と称する人たちが、実にたくさん出演している。こんなにいるのか?ってくらい。その中で誰の話を信用していいのか、ちっともわからない。

そんな中でいま僕が最も信頼している専門家は、峰宗太郎さんなのである。たぶんあんまりテレビには出ない人だと思うんだが、この人は、どこまでが確実に言えることで、どこがいまわかっていないか、ということを、現段階での研究動向をふまえて、実にわかりやすく論理的に説明される。

じっくり1時間、その特集を聴いていたら、だんだん顔がヒリヒリしてきた。

家に戻って鏡を見たら、顔が真っ赤になっていた。ひどい日焼けである。

うーむ。火曜日のオンライン会議に、この日焼け顔で出たら何といわれるか…。「おまえ、外出していただろう!」と糾弾されるだろうか。

誰もいないマンションの屋上で、新型コロナウィルスについての最新の研究動向を聴いていた、と言っても、信じてもらえないだろうか。

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