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緊急事態宣言が延長された日

5月4日(月)

ほぼ1か月、家の中で自粛しているが、精神的に限界が訪れつつある。

もちろん、世間では僕なんぞよりもはるかに苦しい人ばかりなのだが、家族以外とは話す機会もなく、鬱がひどくなり、ちょっと社会復帰が難しい気がしてきた。

今はYouTubeで有名人がいろいろと発信していて、僕もチャンネル登録して見たりしているのだが、あんまり長続きするようなものでもない。いまのYouTubeによる発信ブームは、やり方を相当考えないと、早晩淘汰されていくのではないだろうか。

今日の夕方のテレビのニュースで、個人経営の洋食屋さんが取材を受けていた。

そのニュースに釘付けになったのは、その洋食屋さんのある場所が、僕がいま住んでいる市の隣の市だったという理由が大きい。より正確に言えば、僕の実家のある市と、僕がいま住んでいる市の間に位置する市である。つまり身近な存在として僕の目に映ったのである。

その洋食屋さんは、ご主人であるおじさんと従業員数名がいるようなこぢんまりした店のようで、それでも長年にわたって地元の人たちに愛されていたようだった。

その取材によれば、店のご主人は40年近く(だったと思うが)洋食を作り続けていたが、新型コロナウィルスの影響で、予約もすべてキャンセルになり、店を休業せざるを得ず、もう2週間も料理を作っていない。店を開けずに維持していくのは大変だが、それでもなんとか乗りきろうと思っていたところ、緊急事態宣言が延長され、もう先行きが見えなくなり、

「すっかり心が折れたので、(40年続いた店を)店を閉めようと思っています」

と語っていた。

洋食屋を40年も続けてこられた、僕よりもはるかに人生の先輩であり、ご苦労を重ねてきたはずの店の主人が、

「もう心が折れました」

と語っていたことに、僕は衝撃を受けたのである。

僕もよく、些細なことで心が折れるのだが、そんな生半可なことではない。そのご主人の「心が折れた」という言葉は、どれほど重みのある言葉なのかを考えただけでも、僕は憂鬱な気持ちになってしまったのである。「心が折れた」とは、もう自分では頑張りようもない、ということである。

「歯を食いしばって頑張る」という言葉を、首相は会見で何度も使っている。

その言葉を、首相は、その店のご主人の目の前で言えるだろうか。

歯を食いしばって頑張ってきた挙句に、心が折れてしまった洋食屋のご主人に対して、その言葉はどれほどの慰めになるのだろうか。

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