空想の翼で駆け、現実の山野を往かん
本当に何も書くことがない。
というか、外出自粛を初めて1か月以上がたち、僕のメンタルは完全にやられてしまっている。僕だけでなく、家族も限界だろう。2歳になる娘は、完全な「イヤイヤ期」に入って、外に出られないストレスとも相まって、ことあるごとに僕に八つ当たりをしている。たぶん、原因は僕にあるのだろう。
たまたまテレビで、松本清張と鉄道をテーマにした旅番組を見た。あれだけ膨大な小説を、一分一秒を惜しんで書いている松本清張は、無類の旅好きで、いまでも松本清張の思い出を抱いて生きている人たちが全国各地に数多くいることに驚いた。
その中で、山陰地方の小さな町にある企業に、
「空想の翼で駆け、現実の山野を往かん」
という、松本清張の言葉を刻んだ石碑があることを知った。
その企業は、義肢装具、人工乳房などを製造、販売する世界的企業で、松本清張がこの町を訪れたとき、決して都会とは言えないこの小さな町に、若者たちが集まって世界に通用する製品を開発、製作していることに感銘を受け、企業経営者ご夫婦に色紙をしたためたらしい。そしてその色紙に書かれた松本清張の肉筆を、石碑に刻み込んだというのである。
おそらくこの言葉は、松本清張の小説のどこにもなく、ここにしかない言葉なのだろう。現実の政治や社会の暗部を空想の翼で駆けまわって、読者にその問題を突きつけ続けた松本清張ならではの言葉。いま私たちが直面しているさまざまな政治的・社会的問題を解決するヒントを与えてくれる言葉。
自分の仕事とも関わる言葉のようにも思われたので、忘れないうちに書きとどめておく。
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