伏線だらけの人生
6月9日(火)
出勤前から憂鬱である。
コロナ禍による不測の事態により、いろいろとトラブルが起きる。
で僕は、それらのトラブルを、なんとか収めなければならない係。
午前中は2つの気の重い案件があり、なんとか収めなければならない。
この頭、どうせたいした頭ではないのだから、必要とあらばいつでも下げる用意がある。頭を下げて解決するものなら、いくらだって頭を下げるぞ、という思いを強くした。
それはともかく、1つめの重い案件が解決した後、2つめの案件に取りかかる。
こちらの方は、具体的な解決策は結局見つかりそうにないのだが、その職員さんは、僕に愚痴をこぼしているうちに、心が少し軽くなったらしい。
今年度から、うちの職場に異動になった人で、初めてお会いする職員さんである。話を聞いているうちに雑談になった。
僕が「前の職場」の話をすると、その職員さんの「前の職場」の上司が、僕の「前の職場」から異動してきた人だったという。
「僕の知っている人かも知れませんね。何て言う名前です?」
「Mさんです」
「Mさん!知ってますよ!」
久しぶりにMさんの名前を聞いた。
「前の職場」にいた頃、僕はある部局にしょっちゅう出入りしていたのだが、職員のMさんも、けっこうそこに出入りしていて、何度かお茶を飲みながら雑談を交わしたことがある。僕と同い年くらいで、とても有能な職員さんだった。職場結婚をして、たしか新婚早々に、Mさんはその職員さんの「前の職場」に異動してしまい、それからずっと週末は新幹線で地元に戻る、という生活だったんじゃなかったかな。
そんな記憶を話すと、「その通りです」とその職員さんが言った。「とても有能な方なので、地元には帰してもらえず、いまは別の勤務地に転出されました」
「そうだったんですか…」
「それにしても、Mさんを知っている方がこの職場にいらっしゃったとは、驚きです」そこで警戒心が解けたのか、その職員さんのお喋りに拍車がかかった。
結局、問題は何一つ解決していないのだが、ふだんたまっている愚痴を吐き出してすっきりしたようだった。
それにしても僕は、相変わらず引きが強い。
「袖すり合うも多生の縁」。どんな出会いも、無駄な出会いなんてないのだな。まさか「前の職場」のMさんと少しばかり雑談を交わしたことが、いまの職場に生きてくるとは、思ってもみなかった。
そう考えると、人生は伏線だらけだ。
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