チャラ男官僚
6月19日(金)
職場からの帰宅の道中で聴いた、文化放送「大竹まこと ゴールデンラジオ」のラジオクラウドで、ゲストの古賀茂明さんが話していた内容が、とてもおもしろかった。記憶の限りで書きとどめておくと…。
古賀さんは、もと経済産業省の官僚で、いまは辞めている。ラジオを聴いたら、「経済産業省不要論」をとなえている。
この国は、高度経済成長、バブル経済を経て、著しい経済発展をとげたため、企業は国の援助がなくても十分にやっていけるくらいの力がついた。そこで経済産業省は、やることがなくなっちゃった。むしろ経産省が余計なことをするおかげで、企業や経済がどんどん衰えてしまう、なんて事態になった。
で、仕事がなくなっちゃったもんだから、仕事をつくることにした。そうしないと予算を持ってこれないから。
「おもてなし」とか「プレミアムフライデー」とか「クールジャパン」とか。
結局、アレって何だったの?みたいなお祭り騒ぎに予算を使う。仕事がないのに、余計な仕事をつくって、盛り上げていかなくてはいけない、というのが、いまの経産省。
毎年、予算獲得のために、何か新しい政策を考えなければいけない。もっともらしくって、見栄えがよくって、キャッチーなものであればあるほどよい。
経産省には、「チャラ男」が多い。そういうチャラ男連中が、口八丁手八丁で、もっともらしいイベントを考えて、それを財務省に持って行って、予算を獲得する。予算を取ってくる人が、出世する。
しかし、結局は中身のない政策だから、次の年にはまた別の政策を考えなくてはならない。
経産省の役人は、そういうことばっかりやってきたもんだから、すっかりそういうスタイルが身体に染みついちゃっている。
だから、経産省と電通は、むかしからウマが合うのだ。どっちもお祭り騒ぎが好きだから。
持続化給付金が電通に委託されたのも、そういったことが背景がある。
ああいう給付金って、税務署が担当すれば、スピーディーにできるんじゃないの?というのは誰でも思いつくこと。だって、確定申告を通じて収入だってわかっているし、振り込みの銀行口座だってわかっているぞ。税務署のノウハウを活用すれば、給付金なんてオチャノコサイサイのはずなのだ。
現に、コロナウィルスがいちばんたいへんだった5月に、自動車税の納付書がちゃんと来たもん。給付金とかマスクなんかよりもはるかに早かったぞ。給付金だって、税務署の手にかかればすぐに支給されるだろうし、相手が税務署だったら、給付金を受ける側も、不正に申請したりすることもできないはずだ。
でもそれをやらない。なぜか?
それは、税務署が財務省の管轄だからだ。つまり財務省にその仕事をとられてしまうと、経産省の出る幕がない。予算の大きな仕事を財務省に渡したくないのだ。
…というのが、古賀さんのお話。
なるほど、ここ最近の一連の動きが、これでよくわかった。溜飲が下がるとはこのことである。
しかし、これは経産省に限ったことではない。同じようなことは、ほかのところでもやっているのではないだろうか。
以前、経産省ではない、別の役所の人と仕事をしたとき、その役人が、チャラい感じのイベントを企画してチャラい感じの民間業者を連れてきていたことを思い出した。
それに、予算を取るために毎年もっともらしい仕事を新しくつくるというのも、大なり小なり、よくやっていること。
とすれば、もうこれはこの国の構造的な問題なのだ。
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