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豆腐屋の思索

6月11日(木)

定期の診察。

新型コロナウィルスに感染するのが不安なので、いつもは電車で行くところ、自家用車で高速道路を使って1時間半ほどかけて病院に到着した。

病院に入ると、前回とは打って変わって、外来の患者が待合室にあふれている。いつもの光景が戻ってきたのだ。

診察時間自体は短いのだが、やたら待ち時間が長い。まったく、一日がかりの仕事である。

車中で、文化放送「大竹まこと ゴールデンラジオ」のコーナー、「ゴールデンヒストリー」が流れていた。市井の人々の、何気ない人生の軌跡を、大竹まことが朗読するというコーナー。

今週は、「豆腐の味」という特集で、町の豆腐屋さんにまつわるエピソードが語られる。今日は、芸人だった人が挫折し、父の豆腐屋を手伝うことを通じて、豆腐作りに目覚めるというお話だった。

豆腐屋、と聞くと、いろいろなことが頭に浮かんでくる。

ルポルタージュ『暗闇の思想を』で知られる松下竜一さんは、家業の豆腐屋を継いで、豆腐作りを生業にしていた。『豆腐屋の四季』は有名である(のちに豆腐屋を廃業して作家生活に入る)。

朝日新聞の元論説委員で、かつて久米宏の「ニュースステーション」でコメンテーターを務めていた清水建宇さんは、退職後にスペインに移住して、一念発起して豆腐屋を始めた、というのをTBSラジオ「久米宏 ラジオなんですけど」を聴いて知った。

豆腐屋は、とてもたいへんな仕事である。朝は早いし、重労働だし、儲けだってそんなにいいというわけではないと思う。

一方で豆腐屋さんは、思索的であるようにも思える。思索的な人だから豆腐屋に魅力を感じるのか、あるいは豆腐を作る行為が、思索的にさせるのか、そのあたりはよくわからない。

とにかく僕の中では、豆腐屋=思索家のイメージなのである。

落語に「徂徠豆腐」という噺があって、もとは浪曲だったらしいが、講談にもなっている。江戸時代を代表する思想家・荻生徂徠と豆腐屋との交流を描いた噺である。

この噺の中で豆腐屋は、荻生徂徠の思想に影響を与えたことになっている。豆腐屋は、江戸の昔から思索的存在なのである。

そういえば「前の前の職場」の同僚で、荻生徂徠の子孫のOQさんも、思索的な人だった。OQさんも豆腐が好きだったのかな。

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コメント

第2回オンライン釈場【神田伯山ティービィー】
https://youtu.be/a12cwsX_1F4

口をとんがらせたOQさんの口調で脳内変換して聞いています。

そういえば、肩書のなかった頃、バイト先の人に毎日晩飯をおごってもらっていたなあ。

今日はしぶや落語、週末は鈴本演芸場のYouTube無料配信です。

投稿: こぶぎ豆腐 | 2020年6月12日 (金) 08時49分

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