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一期一会

前回の記事で、9月5日(土)のオンライン舞台挨拶の宣伝を積極的に行おうと決意したのだが、

「行きたいです!でもその日はちょっと…」

と、まるで落語の「寝床」のような展開になる気がしたので、

(こりゃあヘタをすると、「星飛雄馬のクリスマスパーティー」のような結果になってしまうぞ)

と思い直し、自分からは個別に宣伝しないことにした。

もちろん、当然ながらいろいろと事情があるので、こういうことは一期一会なのである。

一期一会で思い出したが、つい先日送られてきた高校の同窓会会報に、僕の中学時代の社会科の先生が文章を寄稿していた。

へえ、N先生、僕の高校の先輩だったのか、とこの時初めて知ったのだが、さらに驚いたことに、大学と学部まで、僕と同じだった。つまり、高校と大学の直系の先輩だったのである。高校を昭和48年に卒業したとあるから、僕よりも14年ほど先輩である。

N先生の近況が語られたその文章には、公立中学校に33年勤務した後、現在はとある市で、子どもの貧困による教育格差をなくすための学習支援に取り組んでいると書かれていた。おそらく33年の教師生活を定年退職した後、学習支援の取り組みを始めたのだろう。

僕が通っていた中学校は、札付きの問題校で、荒れまくっていた。校内暴力が社会問題化していた時代である。そんな中学校で、当時新任の若い女性の先生だったN先生は、相当苦労されただろうと推測する。僕たちは、反抗期であることも手伝って、N先生に対してかなり酷いことを言ったのではないかと、いまでも忸怩たる思いを禁じ得ない。

だがN先生はおそらく定年まで中学校教師をつとめ、定年後のいまもなお教育のお仕事に携わっている、ということを知り、僕は少し安堵したのであった。やはり教職が天職だったのだろう。

僕は中学校卒業以来、もう35年もN先生にはお会いしていないのだが、もしいまお会いしたら、反抗的だった中学時代とはまったく異なり、先生からいろいろなことを学ぶことができるだろう。とくに、いま取り組んでおられる学習支援のこととか、聞いてみたいことがたくさんある。

…と、久しぶりに同窓会会報を読んで感慨に浸っていると、別のページに「同窓会役員改選報告」という記事が載っていて、それによると、同窓会役員10名のうち女性はたった1名で、あとは全員男性。しかもその女性役員の役職は「会計監査」という「ありがちな」役職。

さすが、ジェンダーギャップ指数が世界153カ国中121位の国だけある。僕はいきなり現実に引き戻されたのであった。

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