9月26日(土)
この世でいちばん憂鬱なこと。
それは、スマホの機種変更をすることである!
もうホント、めんどくさい!
僕が初めてスマホを手にしたのが、2016年8月。
それから4年間、ずっと同じスマホを使い続けてきた。
それなりに気に入っていた機種だったので、できれば一生使い続けたいと思っていたのだが、そういうわけにはいかないことが、ここ最近次々と起こった。
まず、電源が入りにくい。電源のボタンを100回くらい押し続けて、ようやくスマホの画面が起ち上がる。
次に、カメラが写らなくなった。
次に、回線速度がやたらと遅くなった。
そして極めつけは、アプリがアップデートできなくなった。アップデートできなくなると、強制的に使えなくなってしまう。
つまり、こうして機種変更の外堀を埋められていくのである。
むかし、中学校の技術の先生が、
「家の蛍光灯ってのは、あれ、わざとすぐに切れるようにしているんだよ。そうしないと、蛍光灯が売れないから」
と言っていたことをいまだに覚えているが、それ以来僕は、陰謀論者である。
頼んでもいないのにアプリを勝手にバージョンアップさせて、それに対応できないスマホを駆逐するという作戦に決まっているのだ。あ~くやしい!
4年ぶりの携帯電話ショップというのは、かなり様変わりしているんだろうな、とビクビクしながらお店に入った。
「ここでおまちください」
と、椅子に座って待っていると、
「これに必要事項を入力してください」
と、タブレットを渡され、延々と個人情報を入力し続ける。
いつも思うのだが、スマホの店員にこんなにも自分の個人情報をさらけ出して、大丈夫なんだろうか???
まずそこからして、スマホショップというのは気に食わない。
長い時間かけて、タブレットに自分の個人情報を入力し終わると、ようやくブースみたいなところに呼ばれた。
「機種変更したいんです」
と告げると、店員は僕の顔をほとんど見ずに、延々とパソコンとかタブレットをカタカタと動かしている。
「あのう、…いま使っているのと同じ会社の同じ機種はないんですか?
「もうありません」
なんと、僕が使っていた機種は、もう生産中止してしまったようなのだ。
「お客様はアンドロイドを使っていらっしゃったので、次もアンドロイドにしないと、データの移行が上手くいきません」
「そうですか…」
ま、iPhoneにそれほど関心がなかったので、それはそれでよかったのだが。
店員に勧められるがままに、アンドロイドスマホの機種を一つ選んだ。
もうちょっとね、ペットショップでペットに一目惚れして、思わず飼いたくなった、みたいにはならないもんかね。
というわけで、僕にとってはまったく思い入れのない機種に変更することになった。
僕は、新しい機種なので使い方もよくわからないし、データ移行とかも不安だし、そういうことを解消してほしいと思っていたのだが、店員さんは、そんなの関係ねえ、とばかりに、カタカタとパソコンやタブレットを動かし続け、僕にはちんぷんかんぷんのお金の計算やら、わかりにくい契約をごり押ししてくる。とにかく、使い方とかデータ移行とかは後まわしで、まずは店員が思うがままの料金プランを提示して契約させようという気まんまんなのである。
いくつもの紙にサインをさせられる。これって大丈夫か?だまされてるんじゃないだろうか?と、かなり不安になる。
しかし、この試練を乗り越えなければ、都市生活者として不適格となってしまうのだ、と思い、グッとこらえる。
あいかわらず、個人情報をえげつないほどにさらけ出しているのだが、なんで目の前にいるうさんくさいやつに、俺の個人情報をこんなにさらけ出さなければならないのかと、だんだん腹が立ってきた。
結局、妙な契約ばかりさせられ、データの移行とか操作の仕方とかは雑に扱われ、3時間もかかってようやく店を出た。
店員にとって客は、「いいカモ」にしか見えないんだろうな。あ~腹が立つ!
家に帰ってさっそく充電ケーブルを使ってスマホを充電してみるのだが、いっこうに充電できる気配がない。
さては、不良品をつかまされたな、と思い、ショップに電話をかけると、
「では明日の午前10時に来てください」
といわれた。
翌日日曜日の午前10時、開店と同時にショップに入ると、
「こちらでお待ちください」
と、昨日と同じ椅子に座らされ、
「これに必要事項を入力してください」
と、また昨日と同じタブレットを渡された。
また延々と個人情報を入力しなきゃいけないのか!?
と、腹が立つのをグッとこらえ、延々と入力していると、
「昨日お電話いただいた方ですね」
と、別の店員さんがやってきて、
「入力はしなくてけっこうです」
と、タブレットを取り上げられた。
「充電ケーブルの件でしたね」
「ええ」
「こちらに電源がありますから、実際に充電していただけますか」
「わかりました」
僕は昨日家でやったとおりに、スマホに充電ケーブルをつないで、コンセントに差し込んで充電を始めようとした。
案の定、うんともすんともいわない。
「ほら、充電できないでしょう?」
というと、店員さんは半笑いして、
「この充電ケーブル、先っぽが三つ叉になっているでしょう」
「ええ。どの機種にも対応するように作られているんですよね。僕のスマホはタイプCで間違いないですよね」
「ええ、ただ、タイプCの場合は、タイプBに接続した上で、スマホに差し込まなければ充電できません。やってみてください」
「え?そうなんですか?」
言われるがままに、タイプCをタイプBにジョイントさせた上で、スマホにつなげたら、あら不思議、充電が始まった。
充電ケーブルが壊れていたのではなく、僕がやり方を知らなかっただけなのである。
「昨日担当してくれた店員さんからは、そんなことを教わりませんでしたよ」
と言ってみたのだが、彼らからしたら、こんなこと知っていて当然のことなのだろう。
おまえは充電ケーブルの使い方も知らないポンコツ野郎だと烙印を押された気がして、ショップをあとにした。
数年後、また機種変更をしなければならないのかと思うと、いまから憂鬱である。
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