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小見出し

僕が書いた短いエッセイの初校が、出版社からPDFで送られてきた。

短い文章の中で、内容の区切りごとに小見出しを4つつけたのだが、4つの小見出しのうち、2つが、出版社により書き換えられていた。

書き換えられた小見出しは、僕のセンスというか、僕の意図するところに、著しく反するように思えた。

こういうときって、無性に腹が立つ。人によって怒りのポイントは違うと思うのだが、僕の場合は、こういうことが腹立たしいのである。

改変された小見出しは、「○○のか?」「○○の理由とは?」という、問いかけのスタイルである。問いかけの小見出しがときによい場合もあるのだが、この場合は、本文で自分が意図している内容とは異なる小見出しで、本文の内容をミスリードしかねない。

そうねえ、たとえていえば、よくインターネットのニュースで、1行のタイトル(小見出し)を見て、そのタイトルに引きずられてクリックして本文を読んでみたら、小見出しから連想される内容とはかけ離れたものだった、といったことあるでしょう?そんな感じ。

以前も同様のことがあった。出版社の編集者がつける小見出しが問いかけ風のものばかりで、自分のセンスとは著しく反するものだったのだが、出版社の編集者の世界では、小見出しで読者を引きつけないと中身を読んでもらえないという強迫観念があるらしく、人目を引く、というか煽るような小見出しをことごとくつけていた。

僕は面倒くさくなって、いちいちそれに対して反応するのをやめたのだが、結局その本は、まったく売れなかった。

それからというもの、僕は編集者のセンスというものが、よくわからなくなったのである。もちろん僕自身のセンスのなさを棚に上げて、だが。

小見出しをこうすれば本文を読んでもらえる、という出版社のセオリーは、ネットに氾濫する「悪意ある小見出し」に影響されたものだろうか。

これはたいへん興味深い問題である。

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