割に合わない原稿
10月19日(月)
今日は、職場が一斉停電のため、お休みである。職場からメールが来ないというだけでも、気が楽である。
先週金曜日締切の、短い原稿を、今日のうちに仕上げておかなくてはいけない。それでなくとも、今週半ばに第二弾の原稿の締切、週明けには第三弾の締切が待っているのだ。
ごくごく短い原稿で、分量にすると1200字程度の文字数だと思うのだが、これがなかなか書けず、1日がかりの仕事である。
なるべく自分の個性を押し殺して、正確な記述につとめなければならない。さまざまな制約の中で書かなければならないこともあり、そのために今までなかなかやる気が出なかったのだが、ともかく今日のうちに書いてしまって出版社に出さないと、面倒なことになる。
夕方、なんとか書き終えて、図版候補も何点か入れて出版社に送ったのだが、すぐに出版社から返信が来た。
「たいへん申し訳ないんですけども、図版候補のうち、1点の写真については、使用料が法外に高くて、金銭的な事情で掲載するわけにはいきません。別の写真に差し替えていただけませんでしょうか」
聞いてみると、たしかに法外な使用料である。しかし以前にも自分の原稿に使用したことがあったと思ったが、そのときは出版社から何も言われなかったぞ。約15年前と今とでは、事情が違っているのだろうか。だとすれば、世知辛い世の中になったものである。
そんなに法外な使用料を取ったら、だれもその写真を使いたがらなくなり、かえって観光などで人が呼べなくなるぞ、と思うのだが、まあそれでも、写真の使用料から上がる利益のほうを大事にしたいということなのだろう。まったく、何が世界共有の財産なのか。
あわてて、まったく別の写真候補に差し替えて再送した。
とにかく、使いたい写真も使えないし、1200字の文章を書くにも1日がかりだし、原稿料などいつ入ってくるかわからないし、人目につく可能性はほとんどないし、まったく、割に合わない原稿である。最近はそんな原稿ばかり書いている。
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