怒濤の2日間・2日目
当初は2日間のことを一気に書こうと思っていたが、1日目の話が思いのほか長くなったので分けて書くことにする。
11月28日(土)
いよいよ、職場のイベントを紹介するインターネット番組に出演する日がやってきた。イベント会場から生中継するのだ。
詳しいことは聞かされていない。放送は午後6時から始まるので、1時間ほど前にイベント会場に来てください、ということだけ聞かされていた。
いちおう、台本らしきものが送られてきたのだが、中身は、何も書かれていないに等しいものであった。要は、お好きなように喋ってください、ということである。
不安すぎる!!!
番組には、現役アイドルの方がナビゲーターとして出演されることになっていた。僕はその方のアイドル活動については全然知らなかったのだが、先月、僕が最近愛聴しているラジオ番組にゲスト出演していて、非常に誠実にお話しになっていたのを聴いて、(この方がナビゲーターになってくれたらいいなあ)と思っていたら、なんと番組制作サイドから、ナビゲーターの複数の候補者の一人にこの方が入っていて、僕は即座にこの方を推薦したのだった。
別に僕が推薦したから決まったわけではないのだろうけど、結果的にそうなって、よかったよかったと胸をなで下ろしたのである。
さて当日。ナビゲーターの方は5時10分頃いらっしゃるというので、その時間に合わせて職場内のイベント会場に向かった。
挨拶もそこそこに、ディレクターやスタッフのみなさんと、さっそく段取りのチェックが始まる。
といっても、カメラの動きをチェックする、というだけで、あっという間に本番の6時になってしまった。
まず最初に、イベント代表者の同僚とナビゲーターの方による、オープニングトーク。僕の出番は、そのオープニングトークが終わってからなので、番組開始から10分後くらいからである。
もうね、この待っている時間に、極度に緊張が高まってしまった。
いちおう、カンペを作ってきたのだが、たぶん、本番ではそんなものは役に立たないだろう、と思い、何も持たずにスタンバイした。
そしていよいよ僕の出番である。
あまりに緊張しすぎて、自分が何を喋ったのか、まったく覚えていない。
途中でディレクターの方から、「少しペースを上げてください」という指示が出され、ますます焦ってしまう。
ナビゲーターが何度か的確なコメントをおっしゃってくれた気がするのだが、それに対して僕がちゃんとした「返し」をした記憶もない。
気がついたら、30分ほど喋っていて、ひとまず、次の担当の同僚にバトンを渡した。
結局、2カ所あるうちの、1つ目のイベント会場の解説だけで、1時間半以上かかった。
イベント会場はもう1カ所ある。予定では8時頃に終了ということになっていたが、いまはもう7時45分である。
ひとまず前半が終了したので、5分ほど休憩したあとで後半戦を行うことになった。
休憩中に、僕を含めた3人の同僚が猛反省した。
「我々は性分なのか、説明がクドいんですよ!」
と、3人が3人とも、我が身を振り返って反省したのであった。
前半の最後に引き続き、後半に説明するイベント代表者の同僚は、
「後半は、前半のようにクドくならずに、ポイントだけ説明したいと思います」
と決意を語っていた。
そして後半戦。
ポイントだけ説明するどころか、前半以上に、クドい説明である!
(時間は大丈夫なのかなあ…)
と僕はヒヤヒヤしていたのだが、本来、時間管理をするはずのディレクターが、同僚の話がおもしろいと思ったのか、どんどんと質問し始めた。それに対して同僚がまた誠実に応えるものだから、どんどんと時間が延びていく。
(おいおい、ディレクターが時間を気にせずに質問してどうすんだよ!)
と、気がついたら3時間が経っていた。
そしてエンディング!
全員が揃って、最後に一人ずつコメントを喋った。僕もいちおう喋ったが、どのていど伝わったのかは、よくわからない。
予定の2時間を1時間もオーバーして、3時間9分かかって終了した。インターネット番組だから、テレビ番組のように尺が決まっているわけではないのである。
怒濤の3時間が終わった後、みんなで記念撮影をして、ナビゲーターをつとめていただいたアイドルの方とお別れした。もちろんサインはもらいましたよ。
アイドルの方がお帰りになった後、ディレクターの方が言った。
「実はあの方、この日のために、昨日もこのイベントを見に来られて事前に勉強されていたんですよ。僕はこの番組を何度も担当していますが、そんなことをされる方ははじめてです。まじめな方なんですね」
やはりあの方にナビゲーターをやっていただいて本当によかったと思った。
今日の番組は、イベント最終日の12月6日(日)まではアーカイブで見ることができるそうだが、僕は恐ろしくて自分の出た番組を見る気にはなれない。
でも少しは気になるので、怖々(こわごわ)とSNSを見てみたら、なんと、絶賛の嵐だった!
「3時間があっという間だった」「食事も忘れて見入ってしまった」等という感想も嬉しかったのだが、それ以上に嬉しかったのは、「ナビゲーターの方のコメントが的確で、ナイス人選だった」という感想もけっこうあった、ということだった。
ほんと、現状で考え得る、最もナイスな人選だったと思う。
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